サクセスフル・エイジングへの道③

コラム

❸家族や地域社会とのつながりを見つめ直してみる

仕事人間になりきっている男性は、子どもが巣立って「爺(じい)」という年齢になると、家族や地域社会での存在感はますます薄れていきます。あなたは「ばばんちのじじ」になっていませんか?

ばばんちのじじ

 ある日、夫が外出しようと家を出たところで、近所に住む娘に連れられた3歳の孫娘と出会いました。
「あ、ばばんちのじじだ」 と言う孫の言葉に、夫はショックを受けた様子でした。
「おれは婆んちの爺か!お前たちの教育が悪いんじゃないか」というわけです。
しかし、これは教育の問題ではなく、孫に認めてもらうだけの努力の多寡(たか)によるのです。
婆は忙しい時間をやり繰りして孫の育児、教育に労力を提供し、その代価として、「ばばんちのばば」という地位を築いてきたのです。
男性の多くは仕事人間になりきっているので、本拠は会社、通勤途上に社交ありで、家は風呂付き・食事付きの宿泊所みたいなものです。たとえ、ご近所に夫の顔を覚えている人がいても、「○○さんのご主人」としてしか、認識されていません。
子どもが大きくなったり、巣立ったりして「爺」という年齢になると、家族や小さな地域社会での存在感はますます薄れます。
ばばの家に行くとなぜかいるじじ。孫にとって、いてもいなくても同じという存在では、あまりに寂しいですね。
一家の主人たるもの、名実ともにその主になり、家族にも地域にも認められて、妻の留守中に災害が起きても、救助してもらえるよう、そのための十か条を挙げておきます。

もしものとき救助してもらうための十か条

■家族編
❶孫の相手は根気強く、途中で投げ出さない。
❷孫がいる間は観たいテレビを観ることはあきらめる。
❸親の教育が悪いなどと言って、子や孫を叱らない。
❹お土産やお小遣いを頻繁に渡して機嫌をとる(ただし、モノ・カネで釣るのは、 孫の人格を認めていないわけではない)。
❺散歩や映画に連れて行くなど、特別の行事も企画する。

■地域編
❻ゴミ捨てを受け持って、近隣の主婦たちには、にこやかに会釈。
❼仕事がない日、あるいは退職したら、毎日、散歩。
❽地域の方に会ったら、名前を呼んで挨拶。
❾地域の活動には、かいがいしく奉仕。
❿時々、近所のスーパーやコンビニで買い物(単なる不審人物として監視カメラに映るだけかも)。

 最後にひと言。養育にさしたる実績のない夫が不用意に子どもを叱ると、妻から「私の子どもに何をするの!」と背筋が凍りつくような剣幕で怒られかねませんよ。

梶川 咸子(かじかわみなこ)
医師、医学博士。
医療法人翠清会介護老人保健施設ひばり施設長。
日本臨床内科学会、日本老年医学会会員。

サクセスフルエイジングへと導く50の答え

 

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