一人暮らしの不安を解消する施設入所

暮らし

思ったように動けない、話し相手がいないといったストレスは、人の性格まで変えてしまうようです。
今月は、住宅型有料老人ホームに入所され、まるで別人のように穏やかで明るく元気になられた方の事例を紹介します。

施設入所で明るく元気に!

 ご主人の介護をしながら2人暮らしをしておられた80代後半の女性。福祉用具専門相談員として私が担当させていただいた3年前は、ご主人も歩行が不安定な程度で、奥さまにも大きな負担はかかっていませんでした。奥さまは大変話好きな方で、いろいろなお話をしてくださっていました。
ところが1年ほどすると、ご主人は動けなくなり認知症も進み、やむなく施設へ入所することになったのです。ご主人が入所して半年ほどが過ぎたころ、今度は奥さまに異変が現われ始めます。めまいや筋力低下で、買い物や通院が一人ではできなくなってきたのです。家事も困難でヘルパーをお願いすることになりましたが、このヘルパーさんに暴言を吐き、悪口を言うようにもなりました。
理由は後でわかりましたが、入所したご主人に何もしてあげられない、動きたくても思うように動けない、話好きなのに会話する相手もいない、といったストレスがそうさせていたようです。
ご自宅が高台にあるため外出に不便なこと、古いご自宅で室内に段差が多かったこと、また寒い冬場だったことなどから、心配した遠くにお住まいの息子さんの勧めで、奥さまは住宅型有料老人ホームに入所することになりました。
そして入所から1カ月も経たないころ。奥さまに会った担当のケアマネジャーが驚いて連絡をくれました。「穏やかで明るく元気に生活しておられます。職員の方々にも笑顔で接しておられ、まるで別人のようです」という内容でした。
困ったことは何でもすぐに相談できる、話し相手がいつでもいる、段差がない施設内は楽に移動できるなどの安心感で、元の明るく元気な状態を取り戻したようでした。また、施設職員の方々の対応も良かったのでしょう。
改めて介護の仕事にかかわる者として、ご利用者の不安やもどかしさを軽減したり除いたりすることの大切さを痛感した次第です。

斎藤豊男さん斎藤 豊男(さいとうとよお)
株式会社けんこうぷらん 代表取締役
福祉用具専門相談員 
福祉住環境コーディネーター

 

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