健康・お金・生活

在宅介護の「もう限界」チームの連携で生活支援

在宅介護の「もう限界」チームの連携で生活支援

要支援や要介護認定を受けると、ケアマネジャーを中心にさまざまなサービス事業者がチームを組んで、ご利用者の自立を支援します。
チームで支えることで多方面からの生活改善が可能になります。

ケアマネジャーを中心に自立支援

 私たち福祉用具専門相談員は、在宅で生活されている方へのサービス提供が主な仕事となります。
 居宅介護支援事業所のケアマネジャーを中心にして、訪問介護(ヘルパー)事業所やデイサービス、ショートステイ事業者などとチームを組み、ご利用者の自立した生活をめざして一緒に支援させていただいております。
 今月は、チームの連携によって生活の改善が実現した方の事例を通して、チームワークの大切さをお話ししたいと思います。

自立心の強さが介護支援を阻む

 80代半ばの独居の女性。早くにご主人を亡くされ、自営業をなさりながらお一人で生きてこられました。男のお子さまが二人おられるのですが、遠くで独立されているため、ほとんど行ったり来たりがありません。若いときから一人で全てを切り盛りしてきたからでしょうか、お子さま方は介護が必要になった今でも、関わろうとはしません。入院したときや緊急時のみの対応で、普段の生活フォローは、自営で切り盛りしてきたお店の従業員の方が唯一の頼りといってもよい状況でした。
 最初にお会いしたのは5年ほど前になります。そのころは、まだほとんどのことをご自分でなさっており、杖や歩行器のレンタルだけですみましたが、最近では、日常生活動作のほとんどができなくなってしまいました。買い物はもちろん、通院や服薬もままならない状態に。寝起きや食事の時間も乱れてきて、体重減少が気になってきました。普段過ごされている部屋の中もどこに何があるのかわからないほどに乱れてしまいました。特に、ベッドの上や下はもちろんベッドまわりに何でも置いてしまうので、お財布や保険証類が埋もれてしまう状態です。
 担当のケアマネジャーさんは、こうなる1年以上前から「まずはヘルパーさんを入れてお部屋をきれいにして、食事や服薬がきちんとできるようにしましょう」とお話をしてきたのですが、ご本人は「自分で何でもできるから大丈夫」の一点張りです。若いころから一人で何でも切り盛りしてきた自立心が強い方ですから、このような状態になっても他人を家に入れたり、生活の面倒をみてもらったりするのが嫌だったのですね。
 しかし、通院介助も含め生活支援をしてきたお店の従業員の方からの「もう限界」という声を聞いたケアマネジャーさんは、ヘルパーさんや私も含めたチームをより強固に組んで、生活環境の改善をしなければならない、と覚悟を決めたのでした。

チームの連携により生活が改善

 まず、疎遠になっているお子さま方に連絡を取り、今後の介護方針を伝え、「いざ」というときにはフォローしていただくという了解を取りました。
 次に百戦錬磨のヘルパーさんにお願いをして、今の状況やご本人の考え方を伝えて少しずつ慣れていってもらうことにしました。
 私の所では「ベッドを交換する」という名目で、ベッドまわりをきれいにすることになりました。
 ご本人も交えての担当者会議では、最初は「そこまでしなくてもいい」とおっしゃっていましたが、出席者全員で説得に努め、最終的には「わかりました」ということになりました。
 ヘルパーさんもご本人の反応を見ながらですが、上手に少しずつ部屋の整理を始め、間もなくベッドの入れ替えができそうなお話を聞いています。規則正しい生活も戻ってきたようです。
 生活支援にあたっては表面の状態を見るだけではなく、チームで連携して色々な方向から支援することが、良い結果につながると実感した事例でした。

斎藤豊男さん斎藤 豊男(さいとうとよお)
株式会社けんこうぷらん 代表取締役
福祉用具専門相談員 
福祉住環境コーディネーター

 

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