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効果がある人とない人の違いとは?リハビリに大切なもの

リハビリに大切なもの

発症すると片麻痺が残ることが多く、日常生活の動き全般に支障をきたす脳梗塞。
機能回復のために行うリハビリで成否を分けるのは、「あるモノ」の存在が大きいようです。

半身麻痺が残る脳梗塞

 福祉用具相談員という仕事柄、これまでさまざまな方の自立生活の支援をお手伝いしてきました。
60代~70代と比較的若くして脳梗塞(のうこうそく)を発症した方々は、気持ちの切り替えや「こうなりたい」という目標の有無が、リハビリの成否に大きく作用しているようです。
 発症した部位や大きさに関係することも多いのでしょうが、左右どちらかに麻痺(まひ)が残り、発症前は何も考えず当たり前にできていた「立つ・座る・歩く・寝る・起きる・食べる・飲む」といった日常生活動作の全てにおいて支障をきたすようになります。玄関の出入りや入浴、トイレの利用も今まで通りにはいきません。
 気持ち的にも落ち込んでしまい、前向きな気持ちになれないまま、半年近いリハビリ入院を経て退院となる方も多いと聞きます。今までとは全く違う自分の体を受け入れるまでには、恐らくさまざまな葛藤があることでしょう。ただ、リハビリ入院しているおよそ半年間の過ごし方や気持ちの持ち方が、その後の長い生活を大きく左右する期間になるようです。
 今月は、脳梗塞を発症後、半年におよぶリハビリ入院中に発症のショックから気持ちを切り替え、明確な目標を持つことで意欲的に機能回復訓練に取り組んでこられた73歳男性の話を紹介したいと思います。

目標の有無がリハビリ効果に影響する

 今年の春、脳梗塞を起こした男性は、発症前まではご兄弟と一緒に会社を経営されていました。
 後遺症としては、言葉を上手に発することができない「構音(こうおん)障害」、食べ物を飲み込めない「嚥下(えんげ)障害」、全身の「筋力低下」(特に下肢筋力低下)が残りました。
 入院中に胃ろうを造設して、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士による機能回復訓練を意欲的に繰り返しておられました。
 症状が安定し退院準備を始める段になり、私の方でお手伝いさせていただくことになりました。
 退院前に、ご自宅に手すりを取り付け、段差を解消するなどの住環境を整えることになりましたので、いつ退院されてもいいように早めに工事を済ませたところ、まだまだ先を予定していたはずの退院が、工事が終わったらすぐということになったのです。
「早く家へ戻りたい」というご本人の強いご希望からでしたが、それには理由がありました。
 会社のことが気になっていたこと、本人でなければ整理できないものがたくさんあったのです。リハビリに意欲的だったのも、退院後に目標があったからなのですね。

退院後の普通の生活が一番のリハビリに

 退院された後も「早く胃ろうを取って会社へ戻りたい」とおっしゃっています。
 この方の回復は通常よりずっと早い上に、サポートする側もやりやすく、好循環が生まれているようです。私も半年後、1年後が楽しみになっています。
「もうだめだ、もう終わった」とおっしゃる方は、リハビリをしてもなかなか回復しないように見受けられますが「こうなりたい、こうしたい」という確かな目標を持ってリハビリに取り組まれている方は、回復のスピードも全然違うように感じます。
 在宅での生活支援が主な業務の私の目からしますと、最も有効なリハビリは、ご自宅に戻った後に普通の生活を繰り返すことではないかと感じています。
「機能回復のために病院があるんだ」というお声もあるかもしれませんが、普段の生活動作が1番のリハビリになるような気がします。

斉藤豊男さん斎藤 豊男(さいとうとよお)
株式会社けんこうぷらん 代表取締役
福祉用具専門相談員 
福祉住環境コーディネーター

 

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