こちら西新宿 税理士よろず相談奮闘記【76】節税しながら老後資金を確保する小規模企業共済制度

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個人事業主の退職金を準備するための小規模企業共済制度。
今月は、節税しながら退職金が準備できるおトクな制度について紹介します。

 この時期になると、確定申告をなさっている方は少しでも納める税金を減らそうと、節税策についていろいろとお悩みではないでしょうか。
節税策の中には、単に税額を減らすことだけを目的とし、実態として効果が得られていない方法もありますが、今月ご紹介する「小規模企業共済制度」(以下「小規模共済」)は、節税しながら将来の生活資金確保が併せて可能となる優れもの。もし未加入であれば、ご検討の価値ありです!

小規模企業共済制度の概要

 小規模共済は、国が全額出資している独立行政法人が運営しており、平成29年3月末時点で約132・7万人の個人事業主等が加入しています。
払い込んだ掛金は、廃業した時や、お亡くなりになった時に退職金として受け取ることができますので、個人事業主等のための「退職金共済制度」と言えるでしょう。
小規模共済に加入できる方は、不動産業等を営み従業員が20人以下の個人事業主、または、その法人の役員です。すなわちアパートから家賃収入を得て確定申告をなさっているような方が、加入対象者となります。ただし、兼業で事業を行うサラリーマンや、医療法人、社会福祉法人等の役員などは加入できません。
払い込む掛金は月額千円~7万円の中から500円刻みで設定でき、払い込み方法は月払い・半年払い・年払いと選択することができます。
それでは、掛金を支払った時と、将来退職金を受け取る時とで税制上のメリットをみていきましょう。

税制上のメリットは2回

【1】掛金支払時

 所得税の計算上、その年に支払った掛金の全額が所得控除として、その年分の所得から差し引けます。 
この差し引ける金額には、年払いによって前払いした翌年分も含むことができます(現金主義の考え方になります)。

【2】受け取り時

❶仕事を退職、または廃止して一括で受け取る場合
退職所得として課税されます。 受け取る金額から次の控除額を差し引いた残額の2分の1について所得税等が掛かります。
●勤続年数20年までは、1年あたり40万円
●勤続年数21年以上は、1年あたり70万円
❷仕事を退職、または廃止して分割で受け取る場合
公的年金等の雑所得として課税されます。
各年の確定申告において、受け取った年金から、年齢に応じた公的年金等控除額が差し引けます。
❸中途解約した場合
一時所得として課税されます。
確定申告において、受け取った解約手当金から50万円を差し引いた残額の2分の1の金額が所得税等の課税の対象となります。
注意したいのは、この計算において払い込みをした掛金の総額は経費となりません。なお、途中解約をして払い込み掛金の100%超の解約手当金を受け取るためには、約20年の納付期間が必要になります。
❹契約者が亡くなり、遺族が受け取る場合
死亡退職金として、相続税が課税されます。
この場合、すべての相続人が受け取った死亡退職金の合計額から、「500万円×法定相続人の数」の非課税額を差し引き、その残額が相続税の課税対象となります。

    *  *  *
新宿総合会計事務所いかがでしょうか。これだけの節税の可能性を持つ小規模共済。
お申し込みは今年の確定申告までに、まだ十分間に合います。
お申し込み方法は、小規模共済の業務を取り扱っている委託団体(商工会議所、商工会、青色申告会など)、または金融機関の窓口で行っており、税理士もその窓口の1つになります。ご検討の上、ぜひお声掛けください。

 

伏木 栄太郎さん伏木栄太郎(ふせぎえいたろう)
新宿総合会計事務所 税理士
「お年寄りの味方」を合言葉にした税務相談は、高齢者にとって、丁寧でわかり易いと好評である。

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