芝田千絵のアートライフ vol.6

コラム

 秋も深まり色づいた木々の葉が美しい季節となりました。緑から黄、赤、茶へと秋色に変わり、景色そのものが絵画のようです。
秋を題材にした作品は、数多く存在します。絢爛(けんらん)豪華な横山大観(よこやまたいかん)の屏風画「紅葉」をはじめ、楓の黄金色が美しい東山魁夷(ひがしやまかいい)の「行(ゆ)く秋(あき)」、気品高い和美人を描いた上村松園(うえむらしょうえん)の「深き秋」、清滝川のほとりで紅葉狩を楽しむ人々の姿を描いた、狩野秀頼(かのうひでより)の国宝「観楓図屏風(かんぷうずびょうぶ)など。場所や時間、地形によって様々な表情を見せる秋の景色。移りゆく季節の一瞬の美しさや儚(はかな)さを、作品の中から感じることができます。
秋刀魚(さんま)や稲刈り、お月見といった秋の風物詩だけでなく日本の伝統色からも、季節を感じることができます。真っ赤な夕焼け空の代名詞である「茜色」、リンドウのような薄い青紫色の「竜胆(りんどう)色」、クチナシの実で染めたときの赤みを帯びた黄橙色(おうとうしょく)の「深支子(こきくちなし)色」、熟して落ちた山栗の皮の色を表す「栗皮色」、柿の実の色である「柿色」。色彩を想像するだけで、秋の景色が広がります。
絵画や、山々を彩る草花から、日常生活の中にある秋の色を探してみてはいかがでしょうか。

芝田千絵さん 芝田千絵 画家/グラフィックデザイナー
1985年東京生まれ。
2010年東京藝術大学を卒業し、12年同大学大学院修士課程を修了。
直線や曲線、幾何学模様と動物や熱帯魚などの組み合わせから非日常の世界を表現。アクリルガッシュで描き、マットで風合いのある表現が特徴である。
HP: chieshibata.com

 

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