健康・お金・生活

成功加齢のためのQ&A④サクセスフル・ エイジングへの道

高齢医師(83歳)の立場から、シニアが元気で幸せに生きていくための心構えを、12回にわたってお伝えしていきます。
老化と仲良く上手に付き合いながら、一緒にサクセスフル・エイジングを実現させましょう。

老化は闘う相手ではない

 日本は超高齢社会となり、高齢の方からは「これほど長生きするとは考えてもみなかった」「老後の準備をしてこなかった」「今後どのように過ごせばよいか」などの言葉をよく聞きます。これからのシニアは、いろいろな問題や悩みをかかえて生きていくことになります。
 問題解決のためには、自分自身が何とかして一歩でも前へ踏み出すことが大切です。
 アンチエイジング(抗加齢)に惹かれる人も多いのですが、老化をアンチと捉えて闘う必要はありません。老化と仲良く上手に付き合いながら、自分の持つ能力をフルに発揮すれば、いくつであっても「サクセスフル・エイジング」は可能なのです。
 サクセスフル・エイジングとは、成功加齢、幸せな老後、健全老化を表した言葉・考え方で、1987年に米国の老年医学者ら(※)により提唱されました。
その論文は、高齢者の老化の差は「遺伝的因子」よりも「外的因子」に影響される、すなわち外的因子を改善すれば、サクセスフル・エイジングは達成できるという内容でした。

(※)老年医学者のJohn W. Rowe, MDと社会心理学者のRobert L. Kahn, PhD

適度な運動と食事

 外的因子で特に大切なものは、「適度な運動」と「バランスの良い食事」を中心とする生活習慣です。これが老化と仲良く上手に付き合って行くための「要」となります。
 また、けがや転倒事故などは、要介護の原因になりすいため注意が必要です。
 病気は予防第一ですが、かかってしまったときはためらわず、早期受診、早期治療が大切です。
 心身の悩みの多くは、自助努力で遠ざけることができます。

「動かない」ことで「動けなくなる」病気


 高齢によるもともとの体力低下に加え、病気で入院するなどして動かない生活をおくると、ますます体力は低下していきます。
 体力の低下により体を動かすことが億劫(おっくう)になってくると、家の中に閉じこもりがちになり、じっとして動かないことが多くなります。
 厚生労働省では、こうして「動かない」(生活が不活発な)状態が続くことで、心身の機能が低下して実際に「動けなくなる」ことを「生活不活発病」といい、注意を呼び掛けています。
 夫婦2人の老々世帯や一人暮らしでは、こうした状態から食事もままならず栄養失調になったり、孤立状態に陥ることもあります。
 以前は、体力の落ちた動けない状態や、うつ状態なども広く含めて、身体的・精神的・社会的に機能が低下した状態を「廃用症候群」とよんでいました。
 しかし、「廃業」「廃棄物」「廃人」などをイメージさせる「廃」という字は、当事者に不快感を抱かせることもあり、現在では予防できる病態として「生活不活発病」と改め、厚生労働省では予防・回復の可能性を強調しています。
 予防のポイントが厚生労働省より提案されていますので、次に紹介します。

知っておきたい高齢者のフレイル

 

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