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【最終回】体への負担が少ない自然農法で野菜づくりにチャレンジ!⑤荒地での農業

家庭菜園を始めてみたいと思っても、体への負担を考えると二の足を踏まれる方も多いのでは。
でも、ご安心ください。シニアのための体に優しい家庭菜園の作り方があったのです。
今月は最終回。自然農法の総まとめ編です。

野菜の成長リズムはシニアの生きるリズムと同じ

 長い間、ビジネスや家事・育児のリズムに合わせて忙しい時を過ごしたシニアが、引退後はゆっくりと過ごしたい、と思うのは当たり前のことでしょう。そのゆっくりとしたリズムこそ、農業のリズムと同じです。野菜はゆっくり、しかし確実に育っていきます。野菜の成長リズムこそ自然のリズムで、その意味で農業は、シニアの生活スタイルに合っています。
 シニアが農業を続けるには、体への負担が少ないのが何よりです。その点で、シニアには自然農法がお勧めです。自然農法とは、愛媛の福岡正信先生が創始したもので、「耕さない」「雑草を抜かない」「殺虫剤を使わない」「肥料をやらない」ことが特徴です。
 自然農法は、近年、日本全体に広がってきている耕作放棄地や、荒地などで農業や家庭菜園をやってみようという人にはたいへん有効な方法です。
 今月は、私が自然農法の実験場として選んだ荒地での、自然農法の結果を披露しようと思います。

【2016年4月】●荒地の様子とトウモロコシ

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 私が選んだ荒地は三浦半島の南、油壺の県道に面していて、写真のように日当たりが良い長方形100坪くらいの土地です。建っていたアパートは15年以上前に取り壊され、雑草がぼうぼうと生える荒地となっていました。建物を支える礎石(そせき)などは粉砕して地面に埋められており、セメントの塊や石がたくさん出てきます。耕作放棄地などよりはるかに悪い条件で、自然農法の実験場としてこれ以上最適な土地はないでしょう。
 初めは東西に10m、畝幅(うねはば)南北に1.5m、通路が0.5mで、12の畝を作りました。畝作りといっても、自然農法では耕したり高くしたりはせず、表面の草をくわで削いでからクローバーの種をまき、その上から削いだ草をかけます。自然農法では、クローバーを育てて雑草を抑えるのです。
 3月末、1つの区画にトウモロコシの種をまきました。トウモロコシは雑草に強く丈夫なので、うまく育つと考えたからです。しかし後半になって失速しました。幹があまり大きくならず、葉が黄色くなってきたのです。
 荒地ですから土地が痩せていると思い「鶏糞」は1株に1握りまいてありました。そこで、失速の理由は窒素肥料の不足ではないかと考え、窒素分の多い「油粕」も加えることにしました。これに気付いたのは6月末ごろで、トウモロコシの収穫には遅すぎました。
 窒素肥料の不足は全く予想していませんでした。なぜなら雑草が毎年枯れて腐っており、窒素分は過多だと思っていたからです。今でもその理由は定かではありませんが、雑草はもともと痩せ地に生えるので窒素分が少なくても成長し、枯れて肥料になっても窒素は少ないまま、ということなのでしょう。
 ともかく荒地では「鶏糞」と「油粕」が不可欠であることが、今回得た最も大きな教訓でした。

【4月下旬】●トマトの移植

83_seikatu03-2 4月22日、自作のトマトの苗を植えました。窒素分不足は6月末に気付き、油粕を加えています。しかし幹は大きくなれず、収穫も限られました。来年、再度チャレンジします。

【4月下旬】●キュウリの移植

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 同じく4月下旬ごろ、キュウリの苗を植えました。キュウリは6月中旬からなり始めました。油粕を与えたのはやはり6月末ごろでしたが、トマトと違ったのは、キュウリにはこれがすぐに効いたことです。葉の緑は濃く、幹も大きくなり、たくさん収穫することができました。キュウリは、この荒地での初めての成功例となりました。本当に嬉しかったです。同時に、荒地でも一切耕すことなく野菜が十分に採れることがわかり、自然農法の素晴らしさを感じました。キュウリやトマトは支柱を立てる必要がありますが、ここでは瓦礫(がれき)が多く支柱さえ十分に立ちません。こんな土地でさえ野菜ができるのです。感動ではありませんか!

【6月中旬】●オクラの移植

 6月中旬、自作のオクラの苗を植えました。窒素分不足に気付いた6月末ごろは苗はまだ小さく、油粕は十分に効き大成功でした。

【最後に】

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 これほど悪い環境でも野菜は育ちます。皆さんも無理をせずに、おいしい家庭菜園の味を楽しんでください。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

横森 慶信さん横森 慶信(よこもりよしのぶ)
自然農法を基礎とした「鷺野自然農園」園長。自然農法を始めてから20年以上が経つ。
元大学教授。現在は、自然科学者の目で見た農業、エネルギーと森と食糧の関係、放射性セシウムの最終貯蔵について執筆活動をしている。
http://www.geocities.jp/guzura100/

 

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