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持ち家を活用する資金調達術 どうする?リタイア後の生活資金

日本人の平均寿命は年々伸び続け、退職後の生活は20年とも30年ともいわれるようになりました。
そうなると考えておきたいのが、リタイア後の生活資金のことです。

 最近は、下流老人や老後破産といった言葉をよく耳にしますが、セカンドライフはぜひとも豊かな気持ちで安心して暮らしたいものです。
それには、「お金」と「住まい」について考えておくことが必要なようです。
 それでは実際に退職後の生活資金は、どのくらいかかるのでしょうか。総務省統計局が発表した「家計調査年報(2015年)」によると、2人以上の無職世帯(世帯主の平均年齢72・9歳)の場合、月平均の支出はおよそ28万7千円、対する収入はおよそ20万9千円でした。つまり、毎月7万8千円が赤字になっている計算です。
 さらに受給している年金の種類別にみると、厚生年金で月に一人あたり平均およそ14万5千円、国民年金ではおよそ5万4千円でした(厚生労働局年金局調査(2014年))。この数字から特に国民年金の人の場合、リタイア後の生活を年金だけで支えるのは困難といえます。
 それでは足りない分をどうしているのかといえば、「貯金で賄う」という人が多いのではないでしょうか。しかし生活資金を十分に蓄えてセカンドライフを迎えられる人は、それほど多くはないようです。内閣府が35歳から64歳までを対象に行った「高齢期に向けた備えに関する意識調査」では、6割以上の人が「現在の貯蓄額は、老後の蓄えとして足りていない」と感じていることがわかりました。
「ある程度の蓄えはあったのに、病気や事故などの不意の出費が重なって預金が底をついた」という話はよく聞きます。そんな事態に備えて知っておきたい方法が、資産であるマイホームを活用する方法です。今回は、持ち家を活用した資金づくりを特集します。

自宅という資産を活かして資金づくりする方法とは?

愛着のあるマイホーム住み続けたい人が多数

マイホームを活用して資金をつくる方法はいろいろとありますが、まず考えるのが売却でしょう。しかし、住み慣れた愛着あるマイホームを手放すのは、なかなか容易ではないようです。三菱日立ホームエレベーター株式会社が60歳~75歳の男女600人を対象に行った「住まいと老後に関する調査」では、9割以上の人が「できることなら今後も住み慣れた我が家で暮らし続けたい」と考えていることがわかりました。それでは他に、家を手放さずに資金調達できる方法はあるのでしょうか。
 自宅を手放さずに資金調達できる方法として、近年注目されているのが「リバースモーゲージ」という金融商品です。これは持ち家を担保に入れることで、その家の資産価値の範囲内で借入が可能なローンの1つで、借入金は年金方式または一括方式で受け取ることができます。リバースモーゲージの大きな特徴は、毎月の支払いが金利のみ、ということです。ローン契約者が亡くなったときに、貸し手(銀行など)が担保である持ち家を売却することで完済します。
 他には、たとえ持ち家を売却しても、そのまま住み続けられる「ハウス・リースバック」という商品があります。これは持ち家を企業に買い取ってもらい、売った人は企業とリース契約を結ぶことで、売却した家にそのまま住み続けられるサービスです。これは当初、住宅ローン返済や事業資金をつくる目的で利用する人が多かったものの、最近では生活費をはじめ趣味や旅行を楽しむための資金、さらには相続対策として関心を示す人も増えているようです。このサービスについては、次の頁で詳しく紹介したいと思います。
 たとえ持ち家があって住む所には困らなくても、病気やけがなどの不測の事態で、お金が必要になるリスクを挙げればきりがありません。
そんなときに活用できるのが、資産である持ち家です。その方法を表にまとめましたので、参考にしてみてください。

持ち家を活用した資金調達の種類と特徴

自宅を「所有」から「使用」へハウス・リースバックの仕組み

ハウス・リースバックの詳しい仕組みを、このサービスを提供する株式会社ハウスドゥ(本社:東京都千代田区)に伺いました。

売却代金を一括で受け取ることも、月々のリース料金を抑えることもできる

持ち家を売却しても、そのまま住み続けられるハウス・リースバックを利用した場合、気になるのが家の買い取り価格でしょう。これは市場価格の70%ほどに設定されているそうです。
同社が直接購入するため仲介手数料はかかりません。買い取り代金は、およそ40日以内に一括して支払われるので、そのまま一時資金として有効に活用できるのが大きなメリットといえそうです。
 リース料金(年間)は、買い取り価格の7%~10%ほどで、3年ごとの契約となり、リース料金を支払えば無期限で住み続けることができます。例えば、ハウスドゥが1000万円で中古一戸建を購入した場合。年間リース料金は70万円~100万円になり、月額で約5万8千円~8万3千円を支払っていく形になります。
 競売や売買仲介のように自宅が売買物件として情報公開されることはないため、他人に知られずに家をスムーズに売却できます。また所有者から使用者に変わるため、固定資産税などの支払いも不要になります。何より引っ越す必要がないので、生活環境を変えることなく資金調達できるのが大きな魅力でしょう。
 唯一のデメリットは、リース料金として家賃を支払い続けなければいけない点です。そこで、リース料金の支払いが負担にならない「追加保証金制度」が準備されています。このシステムは、まとまった資金がすぐに必要ない場合に便利で、例えばハウス・リースバックを利用して2000万円で自宅を売った場合。1000万円を最初に受け取り、残りの1000万円は保証金とすることで、1000万円を基準としたリース料金が算定されます。1000万円に対する約10%がリース料となるので、月額にすると8万5000円程度のリース料に抑えられます。
 さらに、売却した家を再度購入することも可能といいます。相続人も同条件で購入できるため、将来的には再度購入することを考えている人も多いそうです。

ハウス・リースバックの仕組み

ハウス・リースバックがもたらす老後の住まいの新しい考え方

 ハウス・リースバックの対象となる物件は、土地付き一戸建て住宅だけではなく、区分所有のマンションも該当し、不動産市場で流動性が見込める物件であることが条件となります(建ぺい率オーバーなどの違反物件は対象外となります)。
 地域や築年数は限定されていないものの、「将来的に売れる物件」が条件であることから、利用者は関東圏を中心に、大阪、名古屋、京都などの主要都市に家を持つ人が中心となっているそうです。とはいえ全国に300以上の店舗を持つ同社ですから、まずは問い合わせてみてはいかがでしょうか(物件の査定は無料)。
 仮に契約者が死亡した場合でも、家族の方が引き続き契約することは可能となるので、残された家族は安心して住み続けることもできます。
また「家を改装したい」という希望にも対応可能といいます。ただし住宅ローンがある場合は、その残債金額によって注意が必要です。
 同社が買主となって家を購入し、家主となって利用者にリースするという仕組みは、家の売買から建築・リフォームまでワンストップでつなぐ「家を取り扱う専門の会社」だからこそ、できる提案かもしれません。
 同社のハウス・リースバック事業の取り扱い件数は、2016年6月期で274件となっています。

ハウス・リースバックの5つの注目点

 現在、全国の65歳以上の持ち家比率は8割を超えています。マイホームは、長年働いて築き上げてきた大切な資産です。有意義なシニアライフをおくるために、ぜひ有効に活用したいものですね。

 
自宅を売却しても住み続けることができます

 

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