コラム

人情で生かされた私の半生【3】

〝年月は体を老いさせるが前向きに燃えて生きる情熱があれば心は老いない最後の目を閉じるまで前向きに生きよう〟
古き良き貧しき時代の北国で、感謝の気持ちを胸に懸命に生きた半生を綴ります。
いつの時代も、人は人の温かさのおかげで生きられるのではないでしょうか。

第27章 女性が力を合わせ、売り上げ好調!

脳溢血(のういっけつ)で倒れた主人は手術後、春になって石北(せきほく)峠の雪が解けたら北見に帰ろうねと言っていましたが、突然一人で旅立ってしまいました。
北見に向かう車の中では、看病に疲れた娘が冷たくなった主人を抱くようにして眠り、昔、お互いの運転をけなし合いながら夫婦で越えた峠を、私は涙を拭きながら越えて北見へ向かいました。かつてはトーハン(※)の会議があるというと、夫と2人で車に乗り込み6時間余りかけて出掛けたものですが、それも良い思い出です。悲しみに浸るのも束の間、私は主人とやってきた書店を守るために働きました。
 ある日、トーハンと取引のある書店が集って勉強する「トーハン会」の女性部会を作るように突然言われた私は、断ったら冷たくされるのではという不安と、持って生まれた好奇心から引き受けることにしました。まず札幌市内の女性社長に声をかけOKをいただき、さらに道内の書店さんにお願いしてアッという間に20名近い会員が集まりました。
 当時、婦人雑誌のうち4誌には付録が付いていて、特に家計簿や料理本などが付録だった新年号はよく売れました。そこで部会で婦人誌新年号の増売運動を行うと、私の書店では4誌で千部以上が売れました。普段は付録のない別の婦人誌も、新年号はよく売れました。すると突然、ある出版社から東京に招待するとお便りをいただき、びっくりしながら上京してみると、驚いたことに日本一と評判の寿司店「辻留(つじとめ)」社長の辻留彦さんの講演後、お店に招待を受けました。これに参加できたのは全国で15名ほどの書店の奥さん方だけ。そこで後の会合で上京した際、その出版社の役員さんをトーハンの係長さんと訪問。「新年号を北海道の書店で100部以上売るから、書店の奥さま方を辻留さんに招待してくれませんか」と頼むと、その役員さんは困ったような顔をして「社長と相談します」という返事。でも翌日にはOKのお返事をいただき、皆で大喜び!ほかの婦人誌も例年通り売れ、全員で辻留さんに招待されて、またまた大喜び!書店のご主人たちからも喜びのお礼状や電話がきました。     

※次号に続きます。

下斗米 ミチさん下斗米(しもとまい) ミチ
1923年9月24日 北朝鮮 新義州に生まれる
1971年4月(株)福村書店代表取締役就任 
現在に至る
北見市法人会理事、北見市法人会女性部顧問、北海道中小企業家同友会オホーツク支部相談役、北見市社会福祉協議会評議員、オホーツク地域自治研究所副理事長、ふるさと銀河線再生ネットワーク代表 オホーツク ローカル情報誌『HARU』編集長
著書:北の町に本を届けつづけた女社長のふんばり人生『母さんの風呂敷包み』(扶桑社)

 

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