木村重男先生の上手な老い方手帖

旅・生き方

人は生きてきたとおりに齢(とし)をとる。「いい年のとり方をしましたね」と言われるように。
良いも悪いも受け取めて、一日一日を大切に生きる、木村重男先生の珠玉のコラム。

㉕人生のあとしまつ

 一人暮らしに限らず、万一の場合は誰の世話になりたくて、どこの病院にかかりたいのか?入院すると費用は1日いくらかかるのか?葬儀の費用は大丈夫なのか?など事前に調べて、考えておく必要があります。
最近の葬儀は「こじんまり」が主流ですが、規模の大小にかかわらず、遺族の7割近くは「故人の意思を反映した葬儀に」との意向を持っていることがわかっています。(東京都生活文化局調べ)
自分が死んだとき、どんな形で送られたいのか?それが問われているのです。各自が葬儀に対する気持ちや希望を書いて、生前にしかるべき人に委ねておくことも必要です。
「死」の問題は、誰しも避けたいものですが、遺影、死装束、葬儀に参列してほしい人、訃報通知してほしい人、流してほしい音楽、飾ってほしい花など、自分の望みを伝えておけば、葬儀の際は遺族にとって、救いにも慰(なぐさ)めにもなることが多いのではないでしょうか。
高齢になると葬儀へ参加する機会が多くなります。ただ焼香をするだけでなく、葬儀場の特色や飾りつけ、参列者の顔ぶれなどをよく観察しておくことも大切です。
お墓についても生前にはっきりさせておきたいものです。最近は樹木葬や散骨、共同墓地など、お墓に対する考え方も多種多様です。とくにお墓を守っていく若い人たちの意識も尊重して、不幸の道連れにしないよう十分な話し合いが必要です。
また、献体や献眼の登録、健康保険証の裏にある「臓器提供意思表示」の記入など、希望があれば早目に明確にしておけば安心です。
なかには遺産をめぐって相続が「争族」へと発展してしまうケースが増えています。
わずかでも生前贈与をしたり、慈善事業へ寄付をしたり、遺言書を作成して明記しておくことは、親としての責任です。
遺言は、家族やお世話になった多勢の人たちへ恩愛や思いを直接伝えることができる、人生最後の大切なメッセージでもあるのです。

 

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