ボケないために、いまできる方法③ お弁当の多い親には、亜麻仁油やエゴマ油を送ってあげる

健康と美容

認知症予防のカギは食事と生活のなかにあった

積極的に摂取したいオメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸の多い魚を毎日食べることで、脳細胞の若返りを図っていけます。
でも実際には、料理を毎日はつくれなくなっている高齢世代も多いと思います。お弁当やお惣菜などで、簡単に食事をすませる親も少なくないでしょう。
しかも、お弁当に入っている魚は加熱されているので、DHAやEPAは、魚から流れ出てしまっています。高温で加熱すれば、酸化もします。ですから理想をいえば、魚は生で食べたほうがよいのです。私も自らの認知症予防策として、週に2~3回は刺し身を食べます。でも、毎日となると、実践は難しいのが正直なところです。
そんなときにおすすめしたいのが、亜麻仁油とエゴマ油です。これらの油にはオメガ3脂肪酸の一つであるα‐リノレン酸が豊富に含まれます。
体内に入ったα‐リノレン酸は、一部がDHAやEPAに変換されて働きます。
また、柔軟な細胞膜をつくる材料となったり、体内の炎症を抑えたりする働きもあります。
ただ、サラダ油やマヨネーズなどのオメガ6脂肪酸を大量にとったまま、オメガ3脂肪酸の摂取量を増やしても、細胞膜はオメガ3脂肪酸をうまく使えません。細胞は、オメガ6系かオメガ3系かを考えて材料を選ぶのではなく、そこに都合よく存在するものを使うからです。数が多いほうが勝ってしまうのです。
認知症になりにくく、病気にもなりにくい細胞膜をつくるには、オメガ3系とオメガ6系の比率を1対4にすることが理想とされています。ところが現代の日本人の食事は1対10、ひどいケースでは1対50にも偏っているとみられています。こうしたことも、認知症を急増させている一因と考えられているのです。

食卓に1本、亜麻仁油とエゴマ油を置いておく

この摂取バランスを正すには、サラダ油、コーン油などオメガ6系の油を使うのをやめて、亜麻仁油かエゴマ油を一日にスプーン1杯とることです。一日にわずかスプーン1杯の亜麻仁油かエゴマ油で、親の脳細胞を認知症から守っていくことができるのです。
ただし、亜麻仁油やエゴマ油は、酸化しやすいという性質を持ちます。そのため加熱調理に向かないのです。調理したまま長時間放置するのもよくありません。ですか
ら、つくり置き料理にも使えません。食卓に、亜麻仁油やエゴマ油を1本置き、食べるときに自分のお皿にかけてもらうのがいちばんよい方法です。
私は、サラダを食べるときには、亜麻仁油をかけて塩・胡椒で食べます。また、青菜のお浸しや味噌汁、納豆にかけることもあります。
週に1度は、魚のカルパッチョをつくります。DHAやEPAの豊富な魚の刺し身をお皿に並べて、長ネギやシソ、ブロッコリースプラウト、ショウガの千切りなどの薬味をたっぷりのせ、そこにニンニク醤油と亜麻仁油をかけて食べます。
実家に帰ったときなど、一度つくってあげてみるとよいでしょう。料理下手の私でもつくれますから、高齢のお父さんでも簡単においしくできると思います。
遠方で親になかなか会いに行けない人は、亜麻仁油やエゴマ油を定期的に送ってあげたらよいと思います。離れている人ほど、親が認知症になったらどうしようと不安でしょう。亜麻仁油やエゴマ油を送ることも、一つの予防策になるのです。

藤田紘一郎(ふじた こういちろう)
1939年、旧満州に生まれる。東京大学医学系大学院修了。医学博士。東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。1983年、日本寄生虫学会小泉賞を受賞。2000年、日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。2021年5月逝去。

『親をボケさせないために、今できる方法』(扶桑社)より一部ご紹介  ※次回は6月号に掲載予定です。

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