木村重男先生の上手な老い方手帖

旅・生き方

人は生きてきたとおりに齢をとる。「いい年のとり方をしましたね」と言われるように。
良いも悪いも受け取めて、一日一日を大切に生きる、木村重男先生の珠玉のコラム。

㉒自分なりの死生観を持つ

 生の終止符、生命の総決算ともいえる死の問題は、どなたにとっても一大事です。
2017年の厚生労働省による「人生の最終段階における医療に関する意識調査」(20歳以上の一般国民、医師、看護師、介護職員の計2万3500人が対象)によれば、「どこで最期を迎えたいですか?」という質問に対して、全体的には「自宅」との回答がもっとも多く(一般国民69・2%、医師69・4%、看護師68・0%、介護職員69・3%)で、次いで「医療機関」との回答が多くなっていました。
しかし、日本人の8割は病院や施設で亡くなり、都会では9割だそうです。自宅で家族に看取られながら大往生したいという願いは儚(はかな)い望みなのでしょうか。
この調査で、病院や施設など自宅以外で最期を希望する理由としては、「家族の看護などの負担が大きい」、「緊急時に迷惑をかける」「経済的負担」、「最期に痛みで苦しむかもしれない」の順でした。
確かに介護する家族の負担や経済的な負担を懸念し、肉親への気がねや遠慮があるのでしょうが、自分なりの死生観をもち、家族や周囲に迷惑をかけなくてすむように日頃から経済面や健康について考えて、家族関係がより円滑になるよう心掛けるべきでしょう。 
家で何もしないで一日中ボーッとして家族に心配をかけたり、周囲の重荷になったりしないように、持てる時間と能力を大いに活用して、いままでにやり残したことや気にかかっていることに集中したいものです。
また、何か興味を持って感動できるような刺激を求めて外に出てみる、地域社会と積極的に関わってみるなど、常に学ぶことを心掛けることも大切です。

木村重男(きむらしげお)
一般社団法人倫理研究所 参与。
文部科学大臣から社会教育功労賞を受賞。著書に『夫婦の玉手箱』『豊かな人生を拓く玉手箱』など多数。

 

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