12カ月で身につける健康リテラシー④どんな「病気」になりやすいですか?

健康と美容

「健康リテラシー」は人生100年時代をより良く生き抜くためには欠かせないスキルです。
知っているようで知らない病気や医療の疑問に、3人の先生が月替わりで易しく回答してくれます。

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梶川博先生

戦後の食生活の欧米化に伴い、「高血圧」・「糖尿病」・「脂質異常症」が増加しました。さらに超高齢化により、「がん」と「認知症」も増えています。
これらの病気は、生活習慣が発症に大きく影響するため、「生活習慣病」といわれています。
生活習慣病ははっきりとした症状が出ない時間が長く、いつの間にか進行していることが多いため、予防とともに「定期健診」を受けるなど早期発見を心掛けましょう。

●今月教えてくれる先生
梶川博(かじかわひろし)先生
医師、医学博士
認知症サポート医
医療法人翠清会 梶川病院 会長
日本脳神経外科学会・日本脳卒中学会・日本認知症学会 会員

予防にはバランスの良い食事と適度な運動を心掛けて

「生活習慣病」とは、食事、運動、睡眠、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群と定義されています。
一般的には、「高血圧」、「糖尿病」、「脂質異常症」などが該当し、生活習慣病の早期発見には「定期健診」が有効です。もしも生活習慣病と診断されたときは、難しいことですが生活習慣を改善し、きちんと治療を継続しましょう。
ほかにも生活習慣が原因で起こる病気は多数あり、「がん」や「認知症」などもそうです。生活習慣病、がん、認知症などの予防や治療は必ずしも不可抗力ではないのです。

高齢になるほど増える生活習慣病「がん」

「がんも生活習慣病」と聞くと、驚かれるかもしれません。しかし、それは事実です。
私たちの体は約60兆個の細胞からなっているといわれています。この細胞の中にある遺伝子が、化学物質や放射線、紫外線、ウイルス、タバコなどで傷つくと、体の中の正常な細胞ががん細胞に変化します。がん細胞が体全体の調和を無視して無秩序に増殖し続けると、周囲の正常な組織を壊し、血管やリンパ管を通って体のあちこちへと転移し、そこでまた増殖して害をおよぼします。
がんは高齢になるほどかかりやすく、日本人の2人に1人が、生涯に1度はがんにかかるといわれています。また、男性は4人に1人、女性は6人に1人ががんで死亡しています(2019年最新がん統計)。
がんの発症には、遺伝的要因だけでなく、生活習慣が大きくかかわります。日頃から生活習慣に気を配っていけば、発症はある程度まで抑制が可能です。
男性は前立腺がん、胃がん、大腸がんの順で多く、女性は乳がん、大腸がん、肺がんの順で多くなっています。

「脳卒中」の予防も生活習慣病がカギ

「脳卒中」は、その原因によって「脳梗塞(のうこうそく)」、「脳出血」、「くも膜下出血」などに分類され、発症すると命を落とす危険性が高まります。
最近は脳卒中の中でも、脳の血管が詰まることで脳への血流量が減って細胞が障害される「脳梗塞」が多くを占めるようになりました。
脳梗塞の治療は早期受診が大きなカギとなりますので、症状を知っておくことが大事で、その標語として「FAST(Face, Arm, Speech,Time)があります。すなわち、①Face(顔面)の左右いずれかの口角が下がる。② Arm(腕)を延ばしたときに片方が下がる。③ Speech(言葉)のろれつが回らない。これらのうち1つでも当てはまれば、④Time(発症時間)を確認し、すぐに119番する必要があります。
症状はこれらに限りませんが、突然症状が出るケースがほとんどで、一時的に治まることもあります(一過性脳虚血発作)。ただし、時間が経つと悪化することもあるので、症状を認めたら一刻も早く医療機関へ行くことが何よりも重要です。
脳卒中は再発が多い疾患です。再発予防のためには、生活習慣病をきちんと治療することが必要です。

2025年には65歳以上の5人に1人が「認知症」

「認知症」とは、さまざまな原因で脳の神経細胞が減少し、日常生活をスムーズにおくることが難しくなる疾患です。
認知症の人の数は、2025年には730万人に増加し、65歳以上の5人に1人が患わずらうと推計されています。 
生活習慣は私たちの健康を左右し、認知症の発症にも大きくかかわります。このため若い頃から生活習慣を可能なかぎり整えることが大切です。生活習慣の留意点は、次号以降に述べていきます。

 

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