木村重男先生の上手な老い方手帖「夜は感謝に眠る一年を」

旅・生き方

人は生きてきたとおりに齢(とし)をとる。「いい年のとり方をしましたね」と言われるように。良いも悪いも受け取めて、一日一日を大切に生きる、木村重男先生の珠玉のコラム。

⑲夜は感謝に眠る一年を

 先日、知人から丁重なお便りをいただきました。
「コロナ禍で外出もできず、ご訪問が難しくなりました。コロナ対策をしながら医療現場で働く方々のご苦労は大変だと拝察しますが、個人としてもストレスが溜まるばかりです」
最近は高齢者だけでなく、長生きしたくないという人が増えているようです。しかし、どんなに嘆き悲しんでも、人生の舵は自分で切るよりほかありません。お互いに創意工夫して、強くたくましく、希望をもって生きたいものです。
私は常日頃から幸福の三点セットとして、①健康、②家庭、③経済を挙げています。
経済について言えば、全国平均の生活費は月27万円だそうですが、仮に25万円として、25万円×12カ月で1年に300万円。20年で6000万円。驚くなかれ、病気や怪我、介護費用などは含まない話です。
生命保険の試算では、一日入院すれば1万7千円だそうですから、何日入院すればいくら掛かるかはおよそ検討がつくでしょう。
ただし、老後に必要なお金は人それぞれです。2000万円の預貯金があればなんとかなります、という人もいます。
同じ千円でも、使い方によっては大きな幸せがいただけます。
人生の生活設計を万全にするには、お金に好かれ、お金と上手につきあうことです。お金の本当の価値は使う人が決めるものです。
お金に対する私の生活信条は、
❶あるうちに貯めること
❷計画的に貯めること
❸継続して貯めること
を実行することです。何事も準備は早めに、備えは十分すぎるぐらいが丁度よいと心得ておきましょう。
なお日常生活で大切なことは、
●欲しいものは買うな、要るものを買え
倹約は最大の収入です。苦しい時の辛抱、ある時の倹約。お金は使わない楽しみもあるのです。
●無いことを嘆くな、有るものを活かせ
人の欲望には際限がありません。いま有るものを大切にしましょう。
●貧乏は決して恥ではない
生活が苦しくても、心まで卑い やしくならず、明るく美しく堂々と生きたいものですね。
●自分一人が苦労したと言わない
苦しくなると良かった時のことを忘れ、良くなると苦しかった時のことを忘れてしまいがちです。
●大使いより「小使い」に要注意
小さな出費がやがて大きな不幸を招きます。最後に頼るのはお金です。経済は、収入と支出のバランスであることを肝に銘じて生活しましょう。
●終わりよければすべて良し
少しでも自分に悔いのない人生をおくりましょう。心に残ることは早く片づけておくとよいでしょう。
●朝は希望に起き、昼は喜んで働き、夜は感謝に眠る
新しい年も一日一日を大切に、そして元気よく笑顔を忘れずに過ごしましょう。

木村重男(きむらしげお)
88歳。一般社団法人倫理研究所 参与。
文部科学大臣から社会教育功労賞を受賞。著書に『夫婦の玉手箱』『豊かな人生を拓く玉手箱』など多数。

 

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