12カ月で身につける健康リテラシー①健康ってどんな状態ですか?

健康と美容

「健康リテラシー」は人生100年時代をより良く生き抜くためには欠かせないスキルです。
知っているようで知らない病気や医療の疑問に、3高知大学名誉教授 人の先生が月替わりで易しく回答してくれます。

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森惟明先生

WHO(世界保健機構)は1948年に、健康を次のように定義しています。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」(日本WHO協会訳)
●今月教えてくれる先生
森惟明(もりこれあき)先生  高知大学名誉教授

病気があっても健康とはこれいかに?

「健康とはどういう状態か?」の答えですが、けがや病気の有無だけが健康の判断基準ではありません。もし個人が社会生活を営むうえで、社会に適応していけるのであれば、健康であるといえるでしょう。
「何を理由に健康だと判断しますか?」というあるアンケートでは、多くの人が「病気がないこと」と答えました。しかし、中高年以降ともなれば、「病気をしたことがない」という人の方がめずらしいかもしれません。
2019年の厚生労働省発表による日本人の「平均寿命」は、女性87.45歳、男性81.41歳でした。一方、健康上、日常生活を制限されることなく生活できる期間である「健康寿命」は女性75.38年、男性72.68年でした。
平均寿命と健康寿命の差は女性で約12年、男性で約9年。つまり、その期間は誰かの手助けが必要となるわけです。
今後、平均寿命が延びるにつれ、この2つの寿命の差が拡大しないようにしなければ、医療・介護費の負担増による家計へのさらなる影響も懸念されます。
健康寿命を延ばすには、体を動かす、バランスの良い食事をする、質の良い睡眠を心掛けるといった身体的要因のみならず、心の精神的健康と、人との交わりの社会的健康も大切であることを改めて認識することが大事です。

多病息災を可能にする健康リテラシー

 これを読んでいる皆さんの中には「持病がある」という方もおられることでしょう。私自身もこれまでにC型肝炎、脳梗塞(のうこうそく)、心筋梗塞、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、白内障、糖尿病を患い、そして最近ではペースメーカーの植え込み手術を経験するなど、病気と共に生きてきました。それでも夢や生きがいを失わずに医師として活躍してこられたのは、まさに「健康リテラシー」の賜物といえます。
いまは医師でなくても自らが望みさえすれば、比較的容易に多くの健康情報が入手できる時代です。健康リテラシーを身につけることにより、多病でも健康で長寿を全うする「多病息災」が可能になったのです。
健康リテラシーとは、健康や病気、医療などに関する情報を収集、判断し、評価、活用する能力のことをいいます。それは得た情報を単なる知識としてではなく、批判的に吟味したり、そこから自分自身の考えを導き出したりして、健康を維持・増進する力ともいえます。健康リテラシーを身につければ、自分や家族の健康に対して、より良い意思決定ができるようになります。しかし、インターネッ
トであらゆる情報が手軽に入手できるようになった現在、信頼のおける必要な情報を見極めるのは容易なことではありません。そこで本コラムでは、12回にわたり健康にまつわる疑問にお答えしながら、
健康リテラシーを高めるお手伝いをしていければと考えています。
アメリカなどの諸外国では、子どものころから体や健康についての教育がなされています。日本では「保健」の授業はあるものの、体や健康について系統的に学ぶ機会が少ないため、多くの日本人は実際に病気になってから健康や病気について調べて考え始めます。 
健康リテラシーは、できれば子どものころから身につけたい能力です。もし身近に小学生くらいのお子さまがおられる方は、ぜひ本コラムを易しく説きながら一緒に楽しく学んでいただければと思います。そして、ぜひ、あなたやご家族の健康に役立ててください。

 

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