自宅での療養生活を支援してくれる訪問看護サービスの利用方法

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自宅での療養生活を一人ひとりに合わせてサポート

「訪問看護って何?」そう思っている方は少なくないでしょう。30年ほど前、訪問看護に携わり始めた私も、実はよくわかっていませんでした。
訪問看護とは、看護師や保健師など看護の専門職員がご自宅に訪問して、ご利用者の健康状態の観察や、療養生活の相談アドバイス、注射や点滴などの医療処置、主治医やケアマネジャーとの連携などを行います。病状の悪化防止や回復を支援しながら、皆さまの生活を快適により良いものにすることが訪問看護の目的です。
例えば、病院でしかできない治療が終わり自宅療養することになったけれど、はたして自宅で療養生活ができるのか?入院前は歩くことができたのに、退院後は歩けなくなってしまった。自宅に戻ってどのように生活をすればよいのか?このような不安を軽減できるようお手伝いします。
もう1つが健康管理です。血圧が高い。糖尿病がある。認知症の家族がいる。何に気を付ければよいのかわからない。こういったことに対して定期的に訪問してご相談しながらサポートします。
人は皆、それぞれ違います。たとえ同じ病気であっても、状態は違います。家族構成や住んでいる場所などの住環境も異なります。一人ひとりに合わせて必要なお手伝いをするのが訪問看護です。「〜をしなければならない」または「〜してください」といったことは、訪問看護にはありません。
私が勤める「リーシェガーデン和光」は、サービス付き高齢者向け住宅内の一部に事務所があるため、ご入居者の姿を24時間知ることができます。接する機会が多いので「なぜこうなるのか?」ということを早く解決でき、より適切な看護サービスをご提供することができています。ご入居者の皆さまにとっても、早く治せる、悪化する前にくいとめられる、といった利点があるようです。
以前、100歳の方がピアノを弾いてくださり、それに合わせて一緒に歌わせていただいたことがあります。一見すると訪問看護とは関係のないような事柄でも、歌うことが肺の訓練になり、指を動かすことで脳が活性化します。
人生の大先輩であるご利用者の皆さまには、この30年間の仕事を通して多くのことを教えていただきました。教えていただいたことが、現在の私自身の訪問介護という仕事に、ゆとりと輝きを与えてくださっています。

訪問看護を利用したいときはどうする?

 さて、訪問看護などの介護保険制度による介護サービスを受けるには、どうすればよいでしょうか。
それにはまず、要介護認定を受ける必要があります。お住まいの市区町村の役所の窓口、もしくは最寄りの地域包括支援センターへ相談の上、要介護認定の申請を行ってください。もし入院中であれば、病院の中に相談できるところがあります。申請をすると、本人への訪問調査と、かかりつけ医による意見書をもとにしたコンピュータによる一次判定、審査会による二次判定が行われ、介護度が決まります。申請から結果通知までには通常1カ月ほどかかります(※)。
認定を受けて介護度が決まれば、さまざまな介護サービスが利用できるようになります。
訪問介護の利用料金は、1割負担の場合で1時間890円です。例えば、1回1時間、週1回の訪問で、月々3560円となります。ただし、負担の割合は所得によって異なります。そのほか付帯サービスなどで必要な加算もありますが、ごく一般的な利用料金の合計は月々5000円ほどが目安です。
なお、利用時間と回数は増減ができますが、介護度によって利用できる枠が決まっていますから、その枠内での調整となります。利用する介護サービスの計画や細やかな調整は、ケアマネジャーがしてくれます。
いまは予防訪問看護という分野もあり、病気にならない、これ以上悪くならないためにはどうするか?という時代です。「こんなことを相談してもいいのかな?」といったことでも構いません。ぜひご相談ください。何らかのお手伝いができると思います。皆さまが快適に生活していけるように一緒に考えていきましょう。

※急ぐ必要があるときは調査段階でサービスを開始できる場合もあります。

定森貴子(さだもりたかこ)
㈱東日本福祉経営サービス
リーシェガーデン和光 訪問看護ステーション 所長

 

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