年末に大掃除をしない!「小掃除」のススメ 床にモノを置かない収納・整理術

暮らし

転倒事故の半数は自宅。床にモノがあるリスク

 年末に向けて行われる「大掃除」。一年の煤(すす)を払い、きれいな状態で新しい年の神様をお迎えする風習が基になっています。今回お話を伺った須藤昌子さん(整理収納コンサルタント)は、「普段から簡単な掃除(小掃除)を習慣にすれば、忙しい師走の時期は大掃除ではなく小掃除で済ませ、清々しく新年を迎えられる」と話します。
床にモノを置かない暮らしを提案する著書を多数執筆し、セミナーなどで片付けに悩む人たちの相談にも応える須藤さん。床にモノがあると掃除がしづらく、転倒事故にもつながると言います。実際、65歳以上の転倒事故の約半数が自宅で発生し、その約7割が居室や寝室で起きています(※)。本来であればくつろげる場所が危険にさらされているのです。
今月は、年末に大掃除をしなくて済むようになる、片付けの新しい考え方を紹介します。

※東京消防庁「救急搬送データからみる高齢者の事故(令和元年)」を参考

●お話を伺った方
須藤昌子(すどうまさこ)さん
整理収納コンサルタント

書籍「死んでも床にモノを置かない。」
(すばる舎)は、発売5日で重版決定。
 
今年は宝島社から新刊を発売。
『床にものを置かない! 片付けの極意』(宝島社)
 

無理のない片付けの極意は「○○をやらない」こと!

電気コードや敷物の縁、置きっぱなしのモノにつまずいた経験はありませんか?
床にモノがない暮らしの快適さと、その収納法を須藤昌子さんに伺いました。

やらないルールを決める

 まずは、前ページ上部の部屋の写真をご覧ください。須藤さんが、ご主人とお子さんと暮らすご自宅のリビングを写したものです。敷物はもちろん、見事なまでに床にモノがありません。これが日常なのだとか。「整理収納コンサルタントとして、「片付けが苦手」と悩む方のお宅を数多く見てきました。その9割は、床にモノがたくさん置いてあるのが特徴です。これは、片付けが苦手だから部屋が散らかっているのではなく、部屋が散らかっているから片付けが苦手、と思ってしまうのです」
つまり、部屋がつねに片付いた状態であれば、誰でも片付けや掃除が楽にできるという考え。須藤さんご自身も、本質はズボラで面倒くさがりだとか。では、片付けが楽にできる状態にするにはどうすれば良いのでしょうか?それは、「これだけはやらない」というルールを決めることだそうです。

「やらない片付け」を習慣に

 須藤さん曰く、片付けができる人の多くは、生活の中で「絶対にこれはやらない」という、自分なりのルールを持っているのだとか。「買ってきたモノを床に置きっ放しにしない、届いた封書などの紙類をテーブルに置かないなどです。片付けにおいて「これをやる」というルールを作り、増やしていくと、生活は窮屈になります。日常の中で「これはやらない」というルールを習慣にすれば、片付けでやるべきことは自然と減ります」
今回は、ゴールデンライフ世代にマッチする「これだけはやらない」7つのルールを伝授してもらいました(表)。
「片付けは、モノを上手に収納することではなく、必要なものを厳選して、使いやすいように収めることです。モノが増えれば、モノに費やす場所と時間も増えます。モノのために大切な場所と時間を使うのではなく、自分のために使えるようにする小さな片付けから始めてみてください」

【須藤昌子さん伝授】「これだけはやらない」7つのルール
❶床にモノを置かない
床にモノがなければ掃除や整理がラク。転倒リスクも減ります。
❷テーブルや棚に何でも置かない
大切なモノだけを厳選して置く。ここがモノで溢れると床に広がります。
❸モノを増やさない・買いだめしない
モノを増やせばやることも増えます。「本当に必要か?」「あるもので代用できないか?」を考えれば、自然とモノは減ります。
❹無理に減らさない
モノの価値は人それぞれ。悲しい思いで減らす必要はありません。ただし、モノには「旬」があり、使われてこそ価値があります。
❺「いつか着るかも」で服を取っておかない
「いつか着るかも」と思った服は、結局は着ないもの。服が増えれば、着る機会のない服はさらに増えます。
❻突然「今日は片付けしよう」はしない
思い付きで始めると、途中で力尽きて中途半端で終わってしまいます。まずは小さな片付けで達成感を得ましょう。
❼年末の「大掃除」はしない
「ながら掃除」や「ついで掃除」を習慣にし、ときどきいつもの「小掃除」をプラス。忙しい年末に「大掃除」をしなくて済みます。

須藤さんのキッチン収納を大公開!

片付けの考え方を学んだあとは、無理のない片付けを実践。例えば、キッチンの収納スペース。まずは必要なモノだけを選び、種類や用途ごとにケースやラックでまとめると、スッキリと使いやすい収納になります。

❶モノの大きさを考えてケースを選ぶ
100円ショップなどのケースが役立ちます。例えば「粘土ケース」は、割りばしやストローがぴったり。ただ詰め込むのではなく、入れたいモノの大きさに合わせてケースを選ぶと、わかりやすくて使いやすいです。

❷同じタイミングで使うものはまとめる!
コーヒーや紅茶などは、それぞれセットでまとめておけば、そのまま食卓に出せます。紅茶やコーヒーは保存容器に。スティックシュガーやミルクは蓋付き容器にまとめると便利。
 

❸領収書などの書類、レターセットやゴミ袋も食品を置く場所という固定概念なし!
 
 

❹よく使うものは取りやすい位置に
よく使うものはまとめて、手軽にそのまま取り出せるように、BOXケースなどを活用しましょう。処方箋は個人ごとに分けて収納。良く使う薬やクリーム、体温計などは1つにまとめてBOXに。

奥行がある収納棚は引き出しを使うのがオススメ。お菓子や日用品を仕分け
 

❻重いものは下の棚に収納
缶詰やペットボトル飲料、味噌などの調味料といった重量があるものは下の段に。ペットボトルや缶詰は、取り出しやすいケースを使うときれいに収納できます。レジ袋は1つのケースにまとめましょう。

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須藤さんからのアドバイス

片付けは、未来の自分を楽にする作業。モノを「ちょい置き」すると、そこに別のモノが集まってしまいます。買ったモノはすぐに置くべき場所へ収納すれば、あとでまとめてやる時間も気力も必要ありません。

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