【最終回】1年で脳をイキイキ!認知症予防のための12カ月チャレンジ

健康と美容

最近もの忘れが増えた。こんなこと、ありませんか? 脳は使わなければ衰えていきます。このコラムでは脳をすこやかに保つための方法を、3人の先生が11回にわたってお伝えしてきました。これまでの連載はいかがでしたか?これからも認知症リスクを減らす生活習慣をぜひ心掛けて、すこやかな毎日を過ごしましょう。

梶川咸子先生●今月教えてくれる先生
梶川咸子(かじかわみなこ)先生
医師、医学博士、産業医
医療法人翠清会 介護老人保健施設ひばり施設長
日本臨床内科医会会員、日本老年医学会会員

チャレンジ⑫生活習慣を見直そう

 超高齢社会の日本では多くの人が「認知症になるのでは」という不安を抱えながら暮らしています。せっかくの長い寿命でも、認知症になっては大変と心配になったり、不安に陥ったりしてはいけませんね。そこで本コラムでは、これまで11回にわたり認知症リスクを低減する対策をお伝えしてきました。いよいよ最終回となった今月は「生活習慣病」と認知症についてお話ししたいと思います。
生活習慣病は、高血圧、糖尿病、脂質異常症など、日常の生活習慣が発症の大きな原因となる病気の総称です。ちなみに「がん」や「認知症」も生活習慣病といわれています。
生活習慣病の発症や進行には、文字どおり食習慣・運動習慣・睡眠・喫煙・飲酒などの生活習慣が大きく関わっています。
とくに喫煙の影響は大きく、1961年から福岡県久山町で続けられている754人の住民を追跡調査した研究によれば、中年期から老年期にかけて喫煙を続けた場合、喫煙していない人と比べてアルツハイマー型認知症の発症リスクが2.0倍、脳血管性認知症は2.9倍になることがわかりました。また、アメリカで行われた別の研究では、タバコを多く吸う人ほど認知機能の低下がみられたそうです。
老年期になってから禁煙しても認知症リスクが下がることがわかっており、禁煙は「最高の治療薬」といえます。
また睡眠不足も認知症リスクを高めます。イギリスの成人約8000人を25年間にわたり追跡調査した最近の研究では、中年期に一晩の睡眠時間が平均6時間以下だった人は、7時間睡眠の人に比べて70歳で認知症を発症するリスクが30%も高かったそうです。
認知症と飲酒の関係では、以前から大量に飲酒する人には高い割合で脳が小さくなる「脳萎縮」がみられることが知られていました。ある調査では、過去に5年間以上の大量飲酒経験がある高齢男性では、そうではない男性と比べて認知症の発症リスクが4.6倍になると報告されています。一方、別の研究では、1週間に350㎖のビール1〜6本ほどの飲酒であれば、逆に認知症予防になる可能性が示されています。「過ぎたるはなお及(およ)ばざるが如(ごと)し」で、何事もほどほどが良いようです。
食事と運動の大切さは、これまでの連載でもお伝えしてきました。ぜひ食事や運動、睡眠、喫煙、飲酒などの生活習慣を見直して、認知症を遠ざけるすこやかな毎日をおくりましょう。


禁煙しましょう。喫煙は自分の健康を害するだけでなく、まわりの人が副流煙を吸ってしまう「受動喫煙」での健康被害を引き起こします。タバコのフィルターを通らない「副流煙」には、喫煙者本人が吸う「主流煙」より高濃度の有害物質が含まれています。タバコがなかなかやめられないという人は、禁煙外来を受診しましょう。一定要件を満たす場合、禁煙治療に健康保険が適用されます。禁煙治療では、貼り薬や飲み薬で楽に禁煙することができます。

アルコールの飲み過ぎに注意しましょう。ほどほどの量のアルコール(500mLのビール1本ほど)でも、それが毎日の習慣となり長期におよぶと、深刻な健康障害を起こす可能性があるとされています。週に2〜3日は休肝日をもうける、食前酒として少量を楽しむなど、アルコールと上手に付き合うようにしましょう。

生活のリズムを整えましょう。夜になかなか寝付けないという人は、起床後すぐに部屋のカーテンを開けて太陽光を取り込んだり、15分〜30分ほど散歩をしてみましょう。朝の時間帯に日光を浴びると、睡眠と覚醒のリズムが整います。また、適度な運動は食欲も増進させます。バランスの良い食事をおいしくいただきましょう。

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