熱燗の季節のお供に棒鱈煮(ぼうダラ煮)

コラム

 江戸時代以前から、東北、北海道地方における海産物を使った保存食の代表格に「棒鱈」(ぼうダラ)があります。
鮮魚類が手に入りにくかった時代の貴重なタンパク源として重宝されていた棒鱈は、日持ちのしない真鱈を干物にした保存食です。    
お正月のおせちやお盆の料理、また地域のお祭り料理の一品として現在に伝えられてきました。
本来の作り方は、塩を振らず、厳冬期に1カ月から3カ月ほど凍結する状況で荒縄にかけて陰干しにします。おもに、漁期であり旬でもある12月から翌2月までの間に製造して、完全に乾燥したものは極端に身が硬くなるため文字通りの棒状になります。金づちでないと身をほぐせないほどに乾燥加工するため、叩けばカンカンと音がするほどです。
地方によっては、三枚におろさず内臓と頭だけを取り除き、骨付きのまま干したものが好まれる地域もあるようです。
この硬い棒鱈を食するときは、一般的に水に浸し、何日も水を取り替えながらあく抜きをする必要があります。ゆっくりと時間をかけて戻した寒干しの棒鱈を、多めの砂糖、醤油、酒、みりんなどでシンプルに甘辛く煮たものが「棒鱈煮」です。
棒鱈煮は山形の郷土料理ともいわれています。
ほろほろとした食感の棒鱈煮は、ごはんのおかずにも合いますし、酒の肴としてもおすすめです。
これから本格的な冬を迎えますが、郷土料理に舌鼓を打ちながら熱燗を一杯。至福のひと時で心も体も温まりたいものです。

和田敏人(わだとしひと)
株式会社 アイ・フーズ
管理部 部長

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