シニアライフ・コンシェルジュが案内する都内の名処㉑「貨幣博物館」

旅・生き方

CHAPTER21 近代通貨制度15 0周年 貨幣博物館

東京に観光名所は数あれどあまり知られていない穴場スポットは数多く存在します。そんな「」を、隔月でシニアライフ・コンシェルジュ藤野政史がご案内します。今月は、JR東京駅より徒歩8分銀座線三越前駅より徒歩2分と
アクセス良好な「貨幣博物館」に出掛けてみましょう。

暮らしに密接する貨幣の歩み

 昭和57年に発行が始まって以来、3代目となる新500円硬貨が令和3年11月に発行されます。白銅などを加えた2色構造になり、偽造対策が強化されるそうです。毎日使っているのに知らないことも多いお金の歴史や仕組みを知るために、今回は、日本橋三越本店と日銀通りを隔てて並ぶ貨幣博物館を訪ねました。主任学芸員の関口さんの案内で展示室に向かいます。
平成27年にリニューアルされた館内には、「金座絵巻」という金貨製造の作業風景を描いた古い絵巻に登場する人々の姿がイラストで描かれています。「貨幣博物館と聞くと少しお堅い印象があると思うので、より多くの方にお金の歴史に親しみやすい展示となるようにリニューアルしました」と関口さん。
展示室に入ると、古代・中世・近世・近代に分けて、各時代の貨幣や関連資料が並んでいます。豊臣秀吉がつくらせた「天正大判(てんしょうおおばん)」など大判・小判が並んでいる様は、何ともまばゆいばかりです。見学に訪れた子どもたちからは、当時のお金を現代の価値に換算するといくらになるのかという現実的な質問が多いそうですが、「まったく違う時代の価値を貨幣で換算するのは難しいです。そこで当時のモノの値段と比較して、目安になる価値を想像してみましょう」と伝えているのだとか。

大きな貨幣と撮影ができる来場者に人気の記念撮影スポット。

「天正大判以降の全種類の大判を常設で展示しているのは珍しいです」と関口さん。大判は普段使いではなく贈答などに用いられた。

偽札を防ぐための工夫は江戸時代から行われていた。当時、通貨を偽造した者は死刑になるほどの重罪だった。

渋沢栄一の功績に触れる

 貨幣博物館と隣接する日本銀行本店本館の場所には、江戸時代に金貨を製造する機関であった金座が置かれていました。金座の近くには両替商や商店が集まり、盛んに商売が行われていました。その両替商で使われていた天秤や分銅(おもり)の展示を見ながら、関口さんから「分銅は銀行の地図記号に使われているんですよ」と興味深いエピソードを聞くと、お金に対して今までもちえなかった視点が増えていきます。
令和3年は、明治4年に単位「円」が導入されて150年という記念の年です。また日本の貨幣発行や民間銀行の創設に深く関わり、N H K大河ドラマ第60作『青天を衝け』の主人公にもなっている渋沢栄一が、2024年度に発行予定の一万円券にデザインされることが決まっています。貨幣博物館では、渋沢栄一とお金をテーマにした展示が令和4年1月16日まで行われています。まさに旬なテーマを探求できる貨幣博物館。渋沢栄一も暮らし、金座の置かれた日本橋界隈への散歩も兼ねて出掛けると、より歴史を感じられるはずです。

分銅金

分銅金は、家康の遺産分けに含まれていたと推測されている。金の品位は約95%、亀甲桐が刻まれるなど細かい装飾は見応え十分。

金貨・銀貨・銭貨から藩札まで

戦国時代の金貨・銀貨などの江戸幕府が貨幣を統一するまでに使われた貨幣、時代劇でお馴染の寛永通宝、各藩が発行した藩札がずらりと並ぶ。

ヤップ島の石貨

太平洋に浮かぶヤップ島の石貨は、その大きさに驚く。日常の買い物などで使われる貨幣ではなく、冠婚葬祭などでの贈答に儀礼的に使われる。

貨幣博物館

■所在地/東京都中央区日本橋本石町1-3-1(日本銀行分館内)
■電話番号/03-3277-3037(受付時間:午前9時30分~午後4時30分まで、貨幣博物館の休館日を除く)
■最寄駅/【電車】地下鉄半蔵門線「三越前」駅(B1出口)より徒歩1分、銀座線「三越前」駅(A5出口)より徒歩2分、東西線「日本橋」駅(A1出口)より徒歩6分、JR「東京」駅日本橋口より徒歩8分
■開館時間/午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
■休館日/月曜日(月曜日が祝日の場合は開館)、年末年始(12月29日〜1月4日)
※このほか、展示入れ替えなどのため臨時休館することがあります。
■臨時休館日/12月7日〜9日
■入館料/無料(20名以上は予約が必要です)
※警備上の理由から、入館受付時に、X線検査装置および金属探知機による所持品検査を実施しております。
※所持品検査の結果、入館の際に携行をお断りする所持品についてはロッカーに保管いただくなどのご対応をお願いすることがあります。

※次回の「都内の名処」は1月号に掲載予定です。

藤野 政史さん藤野政史(ふじのまさふみ)
グローバルライフ株式会社 代表取締役
シニアライフ・コンシェルジュ
シニア世代の皆さまが楽しく、笑顔で、遊び、学ぶ、集う会
「グローバルライフクラブ」を運営。
 

 

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