輝く人134 杉田かおるさん

インタビュー

仕事でワクワクすることがたくさん!それは、昔もいまも同じ
「チー坊」の愛称で親しまれた元祖・天才子役。ドラマや映画に多数出演し、バラエティでも活躍してきた女優・杉田かおるさん。まもなく50年を迎える芸能生活を振り返り、子役時代の思い出を中心に語っていただきました。

天才子役を生んだ映像の驚くべきマジック

7歳で子役デビューした杉田さん。そのきっかけは?

 とにかくテレビに出たくて、家のすぐ近くにあった劇団若草に入団しました。でも現実は厳しく、2年ほどまったくチャンスがありませんでした。CMのお仕事をいただいて喜んだのも束の間、できあがってみたら声だけの出演だったり。ちょうど前歯が抜けていたときで、CMとしてイメージが悪かったのかな?理由はわかりませんが、子ども心に悔しい思いをしたのを覚えています。一方で、当時の私は撮影の裏側に興味津々でしたね。悪役で怖いと思っていたおじさんが実はすごく優しくて、そういう人間の裏と表を見るのがとても新鮮でした。『沖縄決戦』という映画にエキストラで出演して、戦時下という想像を絶する異世界に触れられたのも、貴重な経験として印象に残っています。

そんな中で、あの「チー坊」役に抜擢されたのですね。

 それまではオーディションを受けてもことごとく不合格。○○の子ども役、○○の妹役という設定がまったくハマらなかったんですが、チー坊役は「お父さんがいなくて、お母さんも死んじゃう」という設定。それが功を奏したのか、私に白羽の矢が立ったんです。後から聞いた話では、作家の方が私のプロフィール写真だけを見てインスピレーションを感じてくださったのだそう。まさに、運命の出会いでしたね。

初めてのドラマの現場では、どんな様子だったのですか?

 まともに演技をするのは初めてだったので、共演者やスタッフの方がすごく気遣ってくれました。第一話は「施設からもらわれてきて言葉をしゃべらない子」という設定でセリフはありませんでしたが、「まずはここを見て、次ここを見て、2秒たったらここ見て」みたいな感じで、立ち位置や視線の方向など手取り足取り教えてもらったのを覚えています。そして、初のドラマ撮影で何より感動したのが演出の力です。涙を流すシーンは、目薬やハッカ油を駆使して撮っていたのですが、放送されたのを観たら、すばらしい泣きの演技に仕上がっていて……。「すごい子役が出てきた!」って、いきなり話題になっちゃったんです。これぞ、映像マジック!作品も共演の方々ももちろん素晴らしかったんですが、そこに編集の力が加わると、ここまでできるんだと本当にびっくりしました。

いいことも悪いことも教訓として受け止める

中学・高校と成長していくなかで、俳優という仕事に対する気持ちの変化はありましたか?

 10 代のころは、撮影所と家を往復する毎日。普通の学校には通えないので通信教育で勉強し、友達と遊ぶ時間もまったくありませんでした。それが不満で何度も辞めたいと思いましたね。一方で、仕事でワクワクすることもたくさんありました。それは、昔もいまも同じ。振り返ってみると、旅番組でいろいろなところに行かせてもらったり、多くの本や作品を読ませてもらったり、ときには監督や共演者の方にアドバイスをいただいたり。学びの場がたくさんあったことに、とても感謝しています。

最近は、介護や農業にも興味があるそうですね。

 小さいときからずっと仕事、仕事で、やりたいことをできずにきたので、それを取り返したいなと思って。介護や農業はそのひとつです。実は私、十代のころにあるテレビ番組で聞いたダイアナ・ロスさんの話がずっと心に残っているんです。それは、同じ話を聞いても、それをどう受け取め、どう感じ、どう行動に移すかで、人生は変わるのだということ。ダイアナ・ロスさん自身が学校の先生から言われて教訓としてきたことらしいのですが、当時の私は「同じ気持ちになれば、私もダイアナ・ロスみたいにキラキラ輝ける人間になれるんだ!」って思いました。以来、良いことも悪いことも自分なりにしっかりと考えて受け止め、次につながる行動を心掛けたいと思っています。まもなく還暦を迎えますが、その気持ちはずっと持ち続けたい。そして、素敵なシニアの先輩方をお手本にしながら、自分の人生をハッピーエンドで締めくくりたいですね。

女優としては、10月スタートのドラマ『ドクターX』への出演が決まっていますね。

 はい。やはり、お芝居をするのは本当に楽しいです。撮影現場は、たとえるならジャズセッションのようなところ。役の準備はしていきますが、最後は一緒にやる人の声とか、間によって微調整し、ベストなポジションを探っていきます。役ができあがるまでは生みの苦しみですが、長年の勘を駆使して周りとのバランスをうまくとりながら、皆さまにも楽しんでいただけるいい作品を作り上げたいと思います。どうぞ、お楽しみに!

杉田かおる(すぎたかおる)
1964年11月生まれ。東京都出身。1970年劇団若草に入団し、72年『パパと呼ばないで』の「チー坊」役でドラマデビュー。79年『3年B組金八先生』や80年『池中玄太80キロ』などの話題作に多数出演。2000年以降は女優業のほか、バラエティー番組にも活躍の場を広げ、近年は日本健康生活推進協会の「健康マスター名誉リーダー」として健康リテラシーを上げるための活動をしている。公式YouTubeチャンネル「杉田かおるのオーガニックヘルスリテラシーofficial」も人気。21年10月スタートの『ドクターX ~外科医・大門未知子~』にレギュラー出演が決定。

 

関連記事

TOP