1年で脳をイキイキ!認知症予防のための12カ月チャレンジ

健康と美容

最近もの忘れが増えた。こんなこと、ありませんか? 脳は使わなければ衰えていきます。このコラムでは脳をすこやかに保つための方法を、3人の先生が12回にわたって教えてくれます。ぜひチャレンジして、12カ月で認知症リスクを減らす生活習慣を身につけましょう。

梶川咸子先生●今月教えてくれる先生
梶川咸子(かじかわみなこ)先生
医師、医学博士、産業医
医療法人翠清会 介護老人保健施設ひばり施設長
日本臨床内科医会会員、日本老年医学会会員

チャレンジ⑩サルコペニアを予防しよう!

 加齢などにより筋肉量が減少し、筋力が低下した状態を「サルコペニア」といいます。日本語では「筋肉減少症」とよばれています。 サルコペニアでは、握力が弱くなったり歩くのが遅くなったりすることで転倒や骨折のリスクが高まりますが、加えて認知機能の低下が早まることも明らかになっています。
米国ラッシュ大学医療センターのパトリシアAボイル先生たちは、筋力とアルツハイマー型認知症の関係を調べるために、認知症のない900人以上の高齢者を対象に平均3.6年間の追跡調査を行いました。その結果、筋力レベルの高い人は、筋力レベルの低い人と比べると、認知機能の低下が進みにくいことがわかったのです。
サルコペニアの原因は加齢だけではありません。食事や運動などの生活習慣も大きく影響するため年齢を問わず油断ができません。
一般に骨格筋は30代以後、年に約1〜2%ずつ減少し、80歳までに20歳時の約30%が失われるとされていますが、多くの人は筋量や筋力が低下していても日常生活に不自由を感じることはあまりありません。これは自分の筋力に見合った生活をしているからで、ともすれば本人も周囲の人も「まだ大丈夫」と安心しがちです。
しかし、日常生活をおくるには一定以上の筋力が必要です。筋力が低下すると、ほぼ最大限に自身の筋力を使わなければいけないので疲れやすくなります。そのため、あまり外出しなくなり、ますます筋力が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
筋力が低下すると、立位時や歩行時のバランス保持能力も低下し、転倒しやすくなります。片足立ちで靴下を履けなくなったりスリッパを履くとつまずいたり、ということが増えてきます。片足で立っていられる時間が1分未満になったら要注意です。
また、呼吸するには肺だけではなく横隔膜などの「呼吸筋」の働きが重要です。サルコペニアが重症になると、その影響は呼吸筋にまでおよび、重度の呼吸障害をきたし、人工呼吸器での管理が必要になることさえあるのです。
便利な現代社会では、自発的に動こうとしない限り体を動かす機会が少ないため、日常生活だけで筋肉量を維持するのは難しくなっています。今日からできる対策を上に紹介しますので、ぜひ参考にして、実践してみてください。


動物性タンパク質を積極的にとりましょう。以前は、年をとったら肉食は避けるべきだと言われていましたが、最近の研究では動物性タンパク質である肉や卵、また、魚を多く摂取している人のほうが、植物性タンパ
ク質中心の人に比べて老化の速度が遅く、病気になりにくいことがわかっています。

毎日の習慣にちょっとした動きをプラスする「ながら運動」を心掛けましょう。たとえば、歯を磨きながら・テレビを観ながら・風呂に浸かりながらなど、1分でも1秒でも多く体を動かすようにします。スクワットや腕立て伏せ、ダンベルを持ち上げるなど何でも構いません。家事も身体活動になります。自分に合った運動を決めて、ぜひ今日から習慣にしてください。

生活習慣を見直してみましょう。睡眠不足や運動不足、不規則な食生活、強いストレス、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣は、生活習慣病などを引き起こし、サルコペニアの要因となります。生活リズムを整え、散歩などの運動を習慣づけましょう。仕事や趣味、地域活動、ボランティアなどに参加し、社会とのつながりを保つことで生活にメリハリをつけることも大切です。

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