輝く人132 久本雅美さん

インタビュー

生涯現役で仕事を続けていけたら最高ですよね!
タレント・女優・コメディエンヌとして、テレビや舞台で活躍中の久本雅美さん。芸能生活40年を迎える今年、WAHAHA本舗の4年ぶりの復活公演が決定しました。昨年、コロナ禍で延期となった同舞台に込めた思いと、60代の抱負を伺いました。

陽気な父と几帳面な母両親の良い面を受け継ぎ

テレビで私たちを楽しませてくれる久本さんのルーツは?

 テレビをつければ「漫才」「落語」が流れ、近所には面白いおっちゃんやおばちゃんがいて、小さいころから大阪のお笑いに囲まれて育ちました。そんな私も、面白い話を学校で披露しては、友だちや先
生に笑ってもらうのが大好きな子どもでしたね。でも親戚の間では、「無口な子ども」で通っていました。テレビに出始めたころ、「あの大人しい雅美が、まさか東京でお笑いをやるなんて!」と驚かれたほどです。単に私よりも、親戚中がパワフルなだけだったんですけどね。とくに父親は近所でも「おもしろオジサン」として有名で、家族で食事中に「お父さん、ちょっとシッコー(執行)猶予な」と、わざわざ言ってトイレに行くような人でした(苦笑)。そうした土壌はあったのかもしれませんね。

どんなご両親でしたか?

 父は運送業の傍ら町内会の会長を務め、アクティブで陽気なお調子者。母は保育士をしていたこともあってか、教育熱心で明るく朗らかなしっかり者でした。両親がケンカをしたところは一度も見たことがありません。弟と妹がいますが、子どもたちにも愛情深く、笑いの絶えない明るい家庭でしたね。両親共すでに他界しましたが、私は父と母の両方に似ている気がします。母親の几帳面さ、筆まめだったところはしっかりと受け継ぎ、お世話になった方へのお礼状は欠かさないようにしています。

芸能界に進んだきっかけは?

 ラジオのディスクジョッキーのような、おしゃべりで人を楽しませる職業に就きたいと思い、短大に行きながらアナウンススクールに通いました。母からは、「あんたはOLには向いてないから、何か好きなことを見つけた方がいい」と言われていて。そんなとき、たまたま遊びに行った東京で、佐藤B作さん主宰の劇団「東京ヴォードヴィルショー」の舞台を観たんです。めちゃめちゃ面白くてお腹を抱えて笑いました。同時に、笑っている場合じゃない!私もこの劇団に入って笑いを届けたい!と決意した瞬間でした。そして弟が借りてきてくれたレンタカーで、勢いのまま東京へ旅立ちました。父には「ちょっとドライブな♪」と言って(笑)。父はしばらく、「長いドライブやな〜」と言っていたそうです。最初は心配していた両親ですが、その後は全面的に応援してくれました。

貧乏はネタになる苦労は心の宝になる

その後、WAHAHA本舗を立ち上げた理由は?

 東京ヴォードヴィルショーという偉大な先輩方が築いたレールを走っていくことより、自分で敷いたレールの上を走って、ちゃんと痛い目に遭おうと思ったんです。それでこそ、自分の人生を築ける気がしました。そして、仲間たちと共に「自分たちの笑いをつくっていこう!」というチャレンジでもありました。まあ、思い返せば痛い目にいっぱい遭いましたねー。

今年で芸能生活40年。ここまでの道のりは大変でしたか?

 40年、早いなー(笑)。つらいというより面白かったですよ。貧乏だったことはネタになりますから。皆さんに支えていただいている「いま」があるからこそ、言えることかもしれませんね。でも、お金がないなりにやり繰りしたことや、劇団のみんなと笑って泣いて過ごした日々は、すべて私の「心の宝」になっています。何事も「続ける」ことは大変です。そのエネルギーをなくさずに来られたのは、周りの皆さんの支えのおかげです。

WAHAHA本舗の全体公演「王と花魁(おいらん) 」の全国ツアーが始まります。

 昨年、コロナの影響で延期になったので4年ぶりの舞台です。WAHAHA本舗のネタは「下ネタが多い」とよく言われますが……確かに多いです(笑)。でも、オモチャ箱をひっくり返したような、いろんな笑いのパフォーマンスが次々と出てくる、観たことのない世界観だと思います。唯一無二の舞台なので、ぜひ観に来てもらいたいです。旗揚げメンバーは皆60歳を超え、いつまでできるかわかりませんので(笑)。ただ、同年代より上の方にはやや刺激が強いかも。それでも、「久本ががんばっているなら私も」と思ってもらえたらうれしいですね。

先日、63歳の誕生日を迎えられました。60代の目標は?

 昔は、朝の8時入りだったら「7時55分まで飲めるぞー」という勢いでしたが(笑)。この年齢になると健康が一番だと痛感します。週1で体のメンテナンスのための整体と、けが防止が目的のパーソナルトレーニングに通っています。日々の生活では、睡眠をしっかりとり、寝る前のストレッチや起きたときの白湯などを続けています。生涯現役で仕事を続けていけたら最高ですよねー。そのためには健康第一!仕事を続けさせていただく限りは、健康を心掛けたいです。

久本雅美(ひさもとまさみ)
1958年7月9日生まれ。大阪府出身。1981年、佐藤B作主宰の「劇団東京ヴォードヴィルショー」に入団。劇団員としてキャリアを積み、1984年には柴田理恵や佐藤正宏らと共に「WAHAHA本舗」を設立。1985年からレギュラー出演を務めた日本テレビの「今夜は最高!」をきっかけに、舞台のみならず、バラエティ番組、テレビドラマ、CMなどで幅広く活躍中。

 

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