木村重男先生の上手な老い方手帖「金銭は敏感な生きもの」

旅・生き方

人は生きてきたとおりに齢をとる。「いい年のとり方をしましたね」と言われるように。
良いも悪いも受け取めて、一日一日を大切に生きる、木村重男先生の珠玉のコラム。

⑮金銭は敏感な生きもの

 金銭の本当の価値は使う人が決めるものです。同じ千円でも使い方によって大きな幸せをいただくことができます。金銭の扱い方のコツについて考えてみましょう。
❶ 金銭は物の中で一番敏感な生きものと心得ましょう。他の動物と同様に、大切に扱えば喜び、その人のために働いてくれます。どこへでも財布を置いたり放り投げたり、ポケットにねじ込んだり、ルーズで計算も碌(ろく)にしない人からは、お金の方から愛想をつかして逃げていくでしょう。人一倍、金を欲しがり、ないと困る人に限って金銭を粗末に扱っています。
❷ 金銭は無駄にせず、使うべきときは思い切って使い、喜んで差し出すこと。これが金銭を本当に大切にし、生かすコツです。もらうときは喜んでも、出すのを嫌がり、ケチケチして出し渋る人が何と多いことでしょう。借りた金をなかなか返さなかったり、月々の支払いの悪い人……これでは金銭が寄りつきません。
❸ 金銭は流通する性質があるので、「妥協」を好みません。貸した金を請求したり、働いた報酬を求めるのは当然のことです。それを卑(いや)しい行為のように思わないこと、請求すべき金は妥協なく請求するのは何ら恥ずべき行為でもなく、生活にはっきりと節目をつけるうえで大切なことです。
 お金は、なくなりかけてから慌てて貯めようとしても、お金の方が寄りつきません。お金は、
❶ あるうちにためる
❷ 計画的にためる
❸ 継続してためる
のが本筋です。病気や入院をすれば、おどろくほどお金がかかるものです。日ごろから確かな金銭感覚を養い、金銭と上手につき合いながら豊かな老後をおくりたいものです。

木村重男(きむらしげお)
一般社団法人倫理研究所 参与。
文部科学大臣から社会教育功労賞を受賞。著書に『夫婦の玉手箱』『豊かな人生を拓く玉手箱』など多数。

 

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