子・孫につなぐ未来の地球 話題の「SDGs」って何?

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一人ひとりの取り組みが持続可能な社会の実現へ

 最近よく耳にするようになった「SDGs(エスディージーズ)」という言葉。「Sustainable Development Goals=サスティナブルデベロップメント ゴールズ」の略で、「持続可能な開発目標」という意味です。地球環境を壊さず、限られた資源を大切に使い、これからの世代が平和に豊かに暮らしていける社会を目指すというもの。
SDGsは、2015年9月に開催された国連サミットで採択され、国連加盟193カ国が2030年までに達成するための17の目標を掲げました(上図参照)。
人口増加や温暖化による食糧問題や環境破壊は、世界共通の解決すべき課題の1つです。日本の多くの企業も力を入れています。
一見、個人では実現不可能に感じる大きな目標ですが、実は、日常生活で手軽に始められるSDGs活動があります。今月は、私たち一人ひとりができる取り組みを紹介します。

社会に広がるSDGs企業が果たす役割について

飲料メーカー・ダイドードリンコのサスティナブルな自動販売機と、ゴールデンライフの印刷工場の太陽光発電設備を紹介します。

飲み物を買うとSDGs

 身近な自動販売機(以下:自販機)を介して、私たちもSDGsに関わることができます。全国に約27万台の自販機を保有するダイドードリンコ。今年1月に「DyDoグループSDGs宣言」を発表し、その取り組みを本格化しています。その経営理念は「人と、社会と、共に喜び、共に栄える」という共存共栄の精神。環境を守りながら経済成長も追求し、「誰ひとり取り残さない」というSDGsの考えと合致します。
同社の自販機のリサイクル率はほぼ100%。さらに自販機の平均寿命が7年とされるなか、廃棄につながる原因部品の整備・交換などを行うことで、平均使用年数10.9年の長寿命化を実現。
2030年までに15年に延ばすことを目標としています。
また、「緑の募金自販機」や「盲導犬育成募金自販機」といった「募金型自販機」を広範囲で展開。消費者が通常料金でドリンクを購入すると、その関連団体に代金の一部が寄付される仕組みです。

緑の募金自販機
収益金の一部が(公社)国土緑化推進機構に寄付され、全国の緑化推進活動費用に充てられます

エネルギーは自家消費発電

「ゴールデンライフ」を印刷している紅屋オフセット(株)川島工場(埼玉県川島町)には、太陽光パネル約1200枚の発電設備と蓄電池が設置されています。目的の1つが自家消費発電による低炭素化。同社は2013年から太陽光パネルの設置を進め、CO2の削減に努めてきました。企業として今後も環境へ配慮した取り組みを続けていく考えです。また昨年、川島町と「災害時における避難場所等の施設利用に関する協定書」を取り交わし、災害時には同工場を地域住民の一時避難場所として活用してもらうことも目的です。
一般の方のSDGs認知度が5割程度である一方、企業経営者の認知度は約9割、取り組み実施企業は6割を超えるという調査結果があります。企業がSDGsに果たす役割は大きいと言えそうです。

[1] 着せ替え自由な循環型ビニール傘

年間約6,000万本消費される日本特有の「ビニール傘」。安価で使い勝手が良い一方、壊れやすく使い捨てされがちです。傘、雨具の製造販売会社サエラが、2017年に開発したビニール傘「+TIC」は、その名の通りオールプラスチック製。伸縮性や耐久性に優れ、金属を使っていないので錆びることもありません。発売年にグッドデザイン賞を受賞しました。

[2] 木の実からできるダウンコート

一般的なダウンジャケット1着に使われる水鳥の羽は、約30羽分といいます。木の実由来の「カポック」を使ったダウンコートなら、薄さ5mm、重さ500gなのに羽毛のダウンジャケットと同じくらい温かく、動物の命を搾取する必要がありません。今年の冬は「カポック」の素材力と日本の技術が融合した新しいダウンコートに注目です。

[3] 廃棄野菜のカラフル靴下

「靴下屋」や「Tabio」などの靴下専門店を全国展開するタビオが、廃棄食材を染料に利用した靴下を新発売。規格外食材やカット野菜の切れ端などから染料の成分を抽出。日本を代表する繊維専門商社の豊島による、廃棄食材を再活用するプロジェクト「FOODTEXTILE」の一環で、一部店舗やオンラインショップで購入できます。

[4]野菜や果物の鮮度保持袋

野菜の成長を促すエチレンガスを吸着透過させ、野菜の鮮度を保つポリエチレン袋「愛菜果」。栃木県の大谷石採掘跡が野菜の保存庫として利用されていたことから、大谷石がエチレンガスを吸着する性質に注目。農林水産省農業生物資源研究所や包装フィルムメーカーとの共同開発で1987年に誕生したロングセラー商品です。全国のホームセンターなどで購入できます。

SDGsは、もうその手に

印刷業界でもSDGsの取り組みは広がっています。例えば、私たちが普段何気なく手にする包装紙やパッケージ。ここにもサスティナブルな素材が使われているのをご存じですか。
プラスチックごみによる環境破壊が問題視され、紙の評価が見直される現在。しかし問題は、「水に弱い」という耐久性。印刷インキなどの製造販売を行うDICグラフィックスが開発した「水性コーティング剤」は、紙の特性を損なうことなく耐水性を持たせるので、水に強くリサイクル性が高いパッケージや包装の印刷が可能に。酸素バリア性を持たせる「軟包装向けコーティング剤」を使ったパッケージは賞味期限を延長し、フードロスに貢献します。目には見えない技術にもSDGsの考えが反映されているのです。

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