故郷(ふるさと)の味に思いを馳(は)せて のっぺい

コラム

 故郷(ふるさと)の味と言うと、皆さんは何を思い起こされるでしょうか。
「のっぺい」は、日本全国に分布する郷土料理の1つで、地方によって呼び方に違いがあるようです。のっぺい、のっぺい汁、のっぺい鍋、のっぺい煮、のっぺ、のっぺ汁など。漢字で書くと「能平」「濃餅」という文字を当てるようです。
私の育った新潟の「のっぺ」は、お正月、お祭り、お盆などの年中行事の際に親しまれており、また、冠婚葬祭などの親戚縁者が集う場では必ず食卓に並びます。
名前の由来はさまざまあるようですが、新潟の「のっぺ」は、汁でも澄まし汁でもなく「煮物」で、ほかの地域の「のっぺ」とは趣(おもむき)が異なるようです。
一説には、ねばっていることを意味する「ぬっぺい」が語源とされ、新潟の豊かな食文化を背景として、小口切りにした里芋、コンニャク、人参、レンコン、ギンナン、鮭、イクラ、シイタケ、ナメコなどを、薄い醤油味のダシで煮たものです。
入れる食材や味付け、とろみの具合などは地域やご家庭ごとによって異なり、その家庭に伝わるまさに新潟のおふくろの味です。
里芋から出るとろみで、具材に出し汁がよくからみ、冬は温めて食べるのはもちろんのこと、夏は冷やして食べてもおいしくいただけます。
故郷から遠く離れた地域で暮らす人にとって、故郷への帰省というのは格別の思いがあります。近況を報告し、子や孫の成長を報告する。にぎやかな食卓の中で話に花が咲き、久方ぶりの再会に語る言葉は尽きません。
往来が制限されているいまの社会状況の中で、なおさら故郷への思いが募る昨今です。
私自身も、孫の成長を親へ報告できる日がくることを夢見て、新型コロナウィルス感染症が一日も早く終息することを願います。

和田敏人(わだとしひと)
株式会社 アイ・フーズ 管理部 部長

 

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