1年で脳をイキイキ!認知症予防のための12カ月チャレンジ

健康と美容

最近もの忘れが増えた。こんなこと、ありませんか? 脳は使わなければ衰えていきます。このコラムでは脳をすこやかに保つための方法を、3人の先生が12回にわたって教えてくれます。ぜひチャレンジして、12カ月で認知症リスクを減らす生活習慣を身につけましょう。

梶川咸子先生●今月教えてくれる先生
梶川咸子(かじかわみなこ)先生
医師、医学博士、産業医
医療法人翠清会 介護老人保健施設ひばり施設長
日本臨床内科医会会員、日本老年医学会会員

チャレンジ⑥ストレスを解消しよう!


就寝時間を守りましょう。人間は睡眠中に傷ついた細胞を再生し、疲れや体調不良を改善しています。脳は、睡眠中に不要な記憶を整理することでストレスも軽減しています。睡眠の質を高めるには、日中は体を適度に動かし、起床後はカーテンを開けて外光を取り込むことが効果的です。症状が不眠のみの場合は内科で相談してみましょう。

体を動かしましょう。運動で交感神経が優位な時間を増やせばポジティブ思考になりやすく、ストレス解消にもなります。普段あまり運動をしない人は1日1500歩のウオーキング、1日3回のスクワット、3分間のストレッチ、10秒間の片足立ちなどから始めて、ストレスを感じない範囲で少しずつ運動量を増やしていくのが良いでしょう。また、誰かと一緒にできる卓球やテニス、バドミントン、ゴルフなどゲーム性のあるスポーツは、楽しみながら続けることができます。少しの運動でも続けることが大切です。
気分が落ち込んでつらいときは、精神科や心療内科などの専門医に相談してください。うつ病の診断基準(米国精神医学会DSM-5)によれば、●気分が落ち込む ●物事に興味がない、あるいは楽しめない の基本2項目に加えて、
①集中力や注意力が衰えている
②人生の敗北者だと気に病む
③自分を責めたくなったり、自分には価値がないと思ってしまう
④将来に対して悲観的な見方をしてしまう
⑤自分の体を傷つけたり、死んだ方がいいと思ってしまう
⑥寝られない、睡眠中に目がさめる
⑦食欲がない 
のうち5項目以上があてはまり、それらが2週間以上続く場合を「うつ病」、4項目以下の場合は「うつ状態」としています。こうした症状が一日中、2週間以上毎日続いている場合は、早急に受診してください。

  最近、「認知症」とともに増えて問題となっているのが、高齢者の「うつ病」です。うつ病と認知症の症状は一部よく似ているのですが、実際に両者は深く関係しています。
人は過剰なストレスがかかると、自律神経のバランスが乱れて体のあちこちに不調をきたすようになります。このような状況が続くと、いわゆる「うつ」状態に陥りやすくなります。
「うつ」は気分の落ち込みを指す用語ですが、この状態が2週間以上続き、自責の念にかられて死にたいと思ったり、不眠や食欲の低下を起こし、日常生活に著しく支障をきたすようになると「うつ病」です。
高齢者の場合、加齢による心身機能の低下や、社会的役割の喪失感、他者との交流の減少、近しい人の死といった不安のなかで生じる現状に適応できないストレスや孤立感が、「うつ病」の大きな要因といわれています。
高齢者のうつ病では、不安や不穏(イライラ、焦燥、興奮)、不機嫌、徘徊、幻覚、妄想、不眠など、しばしば認知症と同じ諸症状がみられます(うつ病性仮性認知症)。このため、症状が認知症によるものか、うつ病によるものかの識別が必要になります。
さらに、うつ病の患者さんは、うつ病ではない人と比べて、アルツハイマー型認知症の発症リスクが3倍以上高くなるというスペインの研究グループの報告もあります。原因についてはさらなる研究が待たれますが、うつ病と認知症の発症には、どちらも健康への意識の持ち方と、生活習慣が大きく関わっていることがわかっています。まずは、ストレスを溜めないような現実的な考え方と、運動や食事、睡眠などの生活習慣を整えることが予防の要といえるでしょう。若いときからこうした生活習慣を意識している人は、うつ病や認知症になりにくいようです。
今日からできる対策を上に紹介しますので、ぜひ参考にして、実践してみてください。

脳梗塞に負けないために知っておきたい、予防と治療法

 

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