健康は正しい口腔ケアからいま注目の「うがいメソッド」

健康と美容

口腔内の汚れは万病の元歯科医考案のうがい法

 口腔内の環境と全身の健康との関係については、本誌で何度も紹介してきました。口の中が汚れていると虫歯や歯周病、インフルエンザや新型コロナウイルスといった感染症にかかりやすく、重症化しやすいこともわかっています。
なかでも歯周病は、大腸がんや心臓疾患、脳血管疾患、アルツハイマー型認知症など、さまざまな病気に影響するといわれています。また、新型コロナウイルスの重症者は、軽症者に比べて口腔内の細菌の数が100万倍ほど多かったという調査結果が出ています。
歯みがき後や帰宅時に、当たり前のようにしている「うがい」。口腔ケアの基本ですが、あなたは「正しいうがい」ができていますか?
今月は数々のメディアで取り上げられる歯科医推奨の「うがいメソッド」を紹介します。正しいうがいを今日から始めてみましょう。

じつはすごかった!「うがい」のチカラ

予防医学の重要性を提唱し、「うがい」を通じて口腔ケアの大切さを訴える、照山裕子医師を取材しました。

照山裕子 先生●お話を伺った方 照山裕子先生
歯学博士、東京医科歯科大学非常勤講師(顎義歯外来)世界でも専門家が少ない「顎顔面補綴」を専攻。口腔がん患者との臨床経験から予防医学に力を注ぎ、日本人の口腔ケアの意識を変える目的で執筆した、書籍
「歯科医が考案 毒出しうがい」が13万部のベストセラー。
7秒うがい
出版社/きずな出版 定価/1430円(税込)
歯科医が考案した新習慣!
免疫力を高めてウイルスを遠ざける
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「やったつもり」はNG自分のうがいを見直そう

 歯科医として多くの患者を診てきた照山先生。「治療の合間に口をゆすぐ患者さんのほとんどが、正しいうがいができてない」と感じていたそうです。新型コロナウイルス感染症の流行で、「うがい」「手洗い」が習慣化。「手洗い」や「歯みがき」のやり方は子どものころから教えてもらうのに、「うがい」の正しい方法は誰も教えてくれない、と長年疑問に思っていたと話します。20年前から自身が考案した「うがいメソッド」を実践し、口腔ケアの大切さを広める活動をしてきた照山先生。その「うがい法」のポイントは、「強さ」です。「歯みがきのあとになんとなく2~3回うがいをしても、歯磨き粉の研磨剤が残ったままで、食べかすや雑菌は流しきれていません。帰宅後にゴロゴロと喉うがいをしても、口の中が汚れていては感染予防の効果は不十分です。うがいは『ただ時間をかけてやれば良い』わけではなく、大切なのは『強さ』です。顔の筋肉が疲れるほど口の中で激しい水流を作り、歯ぐきや歯のすき間、口の中全体をブクブクとしっかり洗い流します。」
最近の研究では、腸内環境に影響をおよぼす歯周病菌がいることがわかっています。細菌が気管から肺へ入ることで発症する誤嚥(ごえん)性肺炎もあり、正しいうがいで口腔内を清潔に保つことが、健康に寄与すると照山先生は言います。
「歯を磨いたあと、歯磨き粉の成分を落とさないように軽いうがいで済ます人がいます。これでは口の中に汚れが残ったままです。ですから、しっかりとうがいをしたあと、再度フッ素ジェルを塗付する方が効果的です。洗口液を使う場合は、刺激で粘膜を傷つける恐れがあり、体を守る菌も殺してしまい兼ねません。1日1回程度にとどめた方が良いでしょう。私が勧めるのは水かぬるま湯。誤って飲んでも無害です。抗菌・消臭作用がある緑茶も良いですが、茶渋が付きやすいので気を付けましょう。」
次に、「正しいうがい」を実践してみましょう。

歯科医師が太鼓判を押す!「正しいうがい」で期待できる8つのこと
❶食べかすを残さないことで虫歯リスクを抑える
❷歯周病菌が増えるのを抑える
❸歯周病菌が引き起こす病気リスクを抑える
❹風邪・インフルエンザ・新型コロナウイルスなどの感染症リスクを下げ、重症化を抑える
❺細菌性の誤嚥性肺炎を防ぐ
❻口臭を抑える
❼口周りの筋肉が鍛えられるので、口呼吸が少なくなる
❽口周りの筋肉が鍛えられるので、美顔効果が期待できる

誰でも簡単にできる!「7秒うがい」をやってみよう


照山先生が考案した「うがいメソッド」は、水があればいつでもどこでもできます。

「ダメうがい」とサヨナラ「正しいうがい」のやり方

 うがいと聞くと、喉をきれいにする、「ゴロゴロうがい」を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、「新型コロナウイルスは、歯ぐき・舌・唾液腺など口内の細胞からも体内に侵入することがわかっています。感染対策の観点からも、ブクブクうがいは重要です。」
では、実際にうがいをやってみましょう。やり方は簡単です。
❶ おちょこ1杯分(約30㏄)の水またはぬるま湯を口に含みます。
❷ 口を閉じて、全力で7秒間「ぶくぶくうがい」をします。前歯や唇の方に向けて約10往復、勢いよく水を叩きつけるようにします。
❸ 食べかすや、細菌の入った水を吐き、きれいな水を口に含みます。
❹ 最後に、顔を上に向けて7秒間、「ゴロゴロうがい」をします。
全力でうがいをするのは意外と難しく、うまくできない人は口周りの筋肉が弱っている証拠かもしれません。それでも毎日続ければ、できるようになってくるそうです。自分で工夫しながら、いろいろな方向に水流を当てるのが効果的です。起床時・帰宅後・就寝前は重点的に行います。
「うがい後は、口の中をこまめにチェックしましょう。口腔をひとつの臓器と捉えれば、自分自身で見られる唯一の臓器と言えます。健康寿命の延伸やQOL(生活の質)を守るうえで口腔ケアは必須です。」

照山流うがいメソッドのやり方

【1】ブクブクうがいを全力で7秒間!
POINT
❶水の量は少なめ(おちょこ1杯分)
❷口をしっかり閉じる
❸「ブクブク」としっかり音が出るように
❹目標は7秒間で10往復
❺歯や唇に向けて水を押し当てるように
★口が疲れたらしっかりできている証!

【2】1日に何度やってもOKです。
❶おちょこ1杯分の水を口に含んで、上の歯に向けてブクブクうがいを全力で7秒間!
❷おちょこ1杯分の水を口に含んで、下の歯に向けてブクブクうがいを全力で7秒間!
❸おちょこ1杯分の水を口に含んで、右の奥歯に向けてブクブクうがいを全力で7秒間!
❹おちょこ1杯分の水を口に含んで、左の奥歯に向けてブクブクうがいを全力で7秒間!
★夕食後の歯みがきのときにやるのが効果的です。

 

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