平均寿命世界一の行く末は?超高齢化が進む日本で私たちに必要なこと

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世界中が大混乱のなか日本は

 明治以来、日本人の平均寿命は戦争や大きな災害の影響もあり、長らく40歳台で推移していました。平均寿命が男女共50歳を超えたのは戦後の1947年です。それがいまや100歳台の方も珍しくありません。昨年発表された2019年の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳で、男女の平均寿命の長さ84.25歳は世界一です。そして、もうひとつ世界一の数字があります。それは65歳以上の高齢者人口の比率で、日本の28%は群を抜いて高い数字となっています。他の国の高齢者比率は高くても20%そこそこで、平均寿命2位のスイスはなんと18.8%。世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでいる日本の高齢者比率は、2025年には30%を超え、2040年ごろには35%、2050年ごろには40%に迫るという予測です。2つの「世界一」を持つ日本の現状は、何を物語っているのでしょうか……?
昭和30年代の生活を知る私はとくに感じるのですが、ここ50年のインフラ整備を含む生活環境、医療体制や社会環境の変化はすさまじいものがあります。この環境の変化に伴い平均寿命は飛躍的に伸びました。そして結果として、少子化も進みました。次の社会を担う若い世代が圧倒的に少なくなったのです。団塊世代の年間出生数のピークは270万人弱でしたが、2019年の出生数は86万5000人ほどで、ピーク時の3分の1以下です。価値観が多様化し、子どもに頼らなくても老後を過ごせる、子どもには頼りたくない、と思う人が増えたのかもしれません。世の中は一気に少子高齢化と核家族化が進み、介護が必要になった高齢者は、介護保険制度をつくって社会全体で支えようという仕組みになりました。ただ、今後の高齢者人口の増加を考えると、財政的にもマンパワー的にも、いまの介護保険制度では立ち行かなくなることは目に見えています。難しい制度の話はお役人に任せるとしても、とくに65歳以上の人は、自分には何ができるかを考えてみるべきではないでしょうか。
「健康寿命」という指標があります。介護を受けずに生活できる期間のことです。最新データでは男性72.7歳、女性75.4歳です。つまり平均寿命から健康寿命を差し引くと、男性は平均8年強、女性は平均12年が、介護が必要な期間となります。この健康寿命を少しでも伸ばせるような過ごし方を、私たち一人ひとりが心掛けていくことが大事ではないかと思います。

斎藤 豊男さん斎藤 豊男(さいとうとよお)
株式会社けんこうぷらん 代表取締役
福祉用具専門相談員 福祉住環境コーディネーター

 

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