1年で脳をイキイキ!認知症予防のための12カ月チャレンジ

健康と美容

最近もの忘れが増えた。こんなこと、ありませんか? 脳は使わなければ衰えていきます。このコラムでは脳をすこやかに保つための方法を、3人の先生が12回にわたって教えてくれます。ぜひチャレンジして、12カ月で認知症リスクを減らす生活習慣を身につけましょう。

梶川博先生●今月教えてくれる先生
梶川博(かじかわひろし)先生
医師、医学博士、認知症サポート医 医療法人翠清会 梶川病院 会長
日本脳神経外科学会・日本脳卒中学会 認定専門医

チャレンジ⑤太り過ぎを解消しよう!

まずは、自分のBMI(肥満度)がどれくらいか知ることから始めましょう。BMI(Body Mass Index)は肥満度を表す指数で、次の式で求めることができます。体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)目標となる日本人のBMIは次のとおりです。
●18~49歳/18.5~24.9
●50~69歳/20.0~24.9
●70歳以上/21.5~24.9BMI22がもっとも病気にかかりにくいとされています。

自分にとって1日に必要な摂取カロリーを心得ましょう。年代と性別ごとの目安は次のとおりです(身体活動レベルが「ふつう」の場合)。
●18~29歳 男性2,650㎉/女性1,950㎉
●30~49歳 男性2,650㎉/女性2,000㎉
●50~69歳 男性2,450㎉/女性1,900㎉
●70歳以上 男性2,200㎉/女性1,750㎉
ちなみに身体活動レベル「ふつう」とは、座位中心の日常生活を前提としながら、通勤・買物・家事、軽いスポーツなどのいずれかも行っている場合を指します。1日に必要な摂取カロリーは年を重ねるほどに減少しますが、80歳以上になると男性で2,059、女性で1,743キロカロリー(㎉)が目安です。食事の際はゆっくりとよく噛み、腹8分目で食べ過ぎに気を付けましょう。
ウオーキングなどの有酸素運動を毎日30分~1時間行うと、健康寿命が5~10年延びるとされています。特に水中でのウオーキングは、浮力が働くため運動時にひざや腰への負担が軽くなり、肥満気味の方にはおすすめです。転倒などによるけがのリスクもほとんどありません。また、心地よい水圧と生じる水流が適度な刺激にもなります。屋内プールでは天候に左右されず365日快適に運動ができます。公民館やジムのプールを利用すると良いでしょう。

 肥満は脳を萎縮(いしゅく)させ、認知症リスクを高めることがわかっています。
イギリスのユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームによると、50歳以上のイギリス人6582名を平均11年間追跡調査したデータを解析した結果、研究開始時にBMIが30以上だった人は、BMIが18.5〜24.9だった人に比べて、認知症になるリスクが31%も高いことがわかりました。特に内臓脂肪型肥満の女性は、認知症リスクが39%高かったそうです。
また、肥満と脳の萎縮関係を調査したイギリスの別の研究では、特に内臓脂肪型肥満のメタボ体型で、BMIが30以上ある人では、脳の萎縮が最大になることが報告されました。「肥満」とは、体重過多だけではなく、どの部位に体脂肪が過剰に蓄積するかによって、内臓脂肪型肥満(男性に多い)と、皮下脂肪型肥満(女性に多い)とに分けられます。ウエストの周囲長が男性で85㎝以上、女性で90㎝以上の場合、「肥満症」あるいは「内臓脂肪型肥満」とよばれます。
高齢になると筋力が低下してくるため、過度な体重減少は要介護を招きやすくなります。減量する際は、単に体重を落とすのではなく「体脂肪率」に注目することが重要です。体脂肪率とは、全体重のうち体脂肪が占める重さの割合のことです。日本人の理想体脂肪率は男性15~20%、女性20~25%とされています。最近は体脂肪が測れる体重計が簡単に手に入るので活用すると良いでしょう。
肥満解消には食事療法(減量)と運動療法のほか、高度な肥満には薬物療法(各種の肥満症の治療薬、食欲抑制薬)や、手術療法(保険適応肥満外科手術/腹腔鏡下胃縮小術〈スリーブ状胃切除術〉)を行う場合もあります。
肥満症は生活習慣病を引き起こすだけでなく、認知症をはじめ、いま問題となっている新型コロナウイルス感染症を重症化させる要因になることは多くの人が知るところです。今日からできる対策を上に紹介しますので、ぜひ参考にして、実践してみてください。

脳梗塞に負けないために知っておきたい、予防と治療法

 

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