木村重男先生の上手な老い方手帖

旅・生き方

人は生きてきたとおりに齢をとる。「いい年のとり方をしましたね」と言われるように。
良いも悪いも受け取めて、一日一日を大切に生きる、木村重男先生の珠玉のコラム。

⑪言葉のごちそうありますか?

 日本語のなかでも「和顔愛語(わがんあいご)」は美しい言葉です。和顔はいい笑顔のこと。愛語は優しく温かい言葉です。その頂点が「ありがとう」で、多用したい最上級の言葉です。「言葉のごちそう」をご存じでしょうか?食事もたくさんのごちそうが並んでいたら、誰でも幸せな気持ちになりますね。もっとうれしいのが優しい言葉です。
食事のときに何を出しても反応がない男性に、「どう?今日のおかず、おいしいでしょう」と奥さんが言うと、「何だよいちいち、食ってる最中に!」と腹を立てて、くってかかる人がいます。
 こういう人は一緒に生活をしていても楽しくありませんし、熟年離婚の最たる候補者です。
やはり「おお!おいしそう」、「ああ、うまかったよ」と相手の労をねぎらって、感謝の気持ちを伝えたいものです。そうすれば夫婦円満間違いなし。
こういうのを「言葉のごちそう」と言います。何かしてもらったら、すぐに「ありがとう」と言いましょう。いつでもどこでも誰にでも。
このような言動が本当の財産となります。「心の財産」と言えるような、一生使ってもなくならない財産は、ほかにもたくさんあるものです。
男は稼ぎがいいだけでいばっていてはだめです。これからの高齢社会は、妻の良い話し相手、頼りがいのある良き相談相手、一緒に生活して楽しい人に変身する努力をしないと幸せにはなれません。
「あなたと結婚してよかった」「あなたのおかげで私は幸せでした」と生きているうちに相手から喜ばれたいものですね。
一度しかない人生。あと何年夫婦でいられるかわかりません。
願わくば、「一流の笑顔」と「ありがとうの名人」を心掛け、幸せを呼ぶ「言葉のごちそう」の発信源になりましょう。

木村重男(きむらしげお)
一般社団法人倫理研究所 参与。
文部科学大臣から社会教育功労賞を受賞。著書に『夫婦の玉手箱』『豊かな人生を拓く玉手箱』など多数。

 

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