「相続」を「争族」にしないために資産承継のプロが解説する相続のトラブル事例①

暮らし

ケース1.「家督相続」は当たり前ですか?
2年前に母が83歳で他界、そして先日、父が脳梗塞で倒れて亡くなりました。88歳でした。私は4人兄妹の末っ子です。兄妹はそれぞれ家庭を築いています。父は生前、自分の財産は兄妹で均等に分けるようにと話していました。しかし先日、兄弟で遺産分割協議をしたところ、長男が「家督相続が当たり前。土地と家は全部自分が受け継ぐ」と言って譲りません。父の遺産はほとんどが土地ですが、私にも父の遺産を受け取る権利があるはずです。兄の態度に納得がいかず、腹立たしくなります。

社会制度や習慣は時代とともに変化します

 平成29年5月に、昭和55年以来40年ぶりとなる民法改正が行われました。その際、高齢化の進展など社会環境の変化に対応するため、「相続法(※)」についても大きな見直しが行われ、令和2年に施行されました。
社会環境の変化は、こうした制度面だけではなく、人々の習慣や意識にも表れています。例えば、故人の資産承継に目を向けてみると、不動産を中心とした資産家(地主)の方々には従来、資産はいわゆる「家督相続」で次世代の長子一人が「受け継ぐもの」という考え方が根強く残っていました。しかし、時代の移り変わりとともに、「いかにして資産を分割して納得感のある相続をさせるか」「いかに複数の相続人の間でもめごとが起こらないように配慮するか」といったことでお悩みになられる方が増えたように思います。
以前は「自分の目の黒いうちはもめごととは無縁だ」と言っておられた方が、最近では「やはり何か手を打つべきかもしれない」と考え方を改められることも少なくありません。
その背景として考えられることは、冒頭でご紹介したケース事例のように、万一の際の遺産分割をめぐる「争族」発生の状況があるからと言えるでしょう。

※民法の相続について規定した部分を「相続法」という

所有不動産の色分けと棚卸をおすすめします

 近年、裁判所に持ち込まれる遺産分割事件の調停・審判新受件数は、この四半世紀で約5割増加しました。「争族」は、大金持ちだけの話だと思われがちですが、実はそうではないのです。直近の遺産分割事件を財産総額別で見ると、財産総額5000万円以下の事件が全体の約8割を占めるという事実があり、 まさに他人事ではありません。
「争族」増加の要因をみると、戦後の民法改正で「相続」が家督相続から均等相続へと大きく変化し、それに伴い「相続人の権利意識の高まり」が生まれたこと。また核家族化の進行や、個人主義の浸透などがその要因と言えるでしょう。
加えて、相続財産に占める「分割しにくい財産」の増加が拍車を掛ける状況になっているといっても過言ではありません。以前であれば、先祖代々受け継がれてきた土地を自分の代で手放すことに強い抵抗を感じる方も多かったのですが、最近の傾向としては、運用利回りや納税、資産の分割など複合的な観点から、発展的に売却を判断されるケースも見受けられます。
そのような背景もあり、複数の不動産をお持ちの方には、現状を把握していただいたうえで「残したい不動産」、あるいは「売却処分しても差し支えない不動産」のように、所有不動産の色分けと棚卸をおすすめします。

資産承継の悩みにお応えします。

 お客様の資産の置かれている状況や克服すべき課題、そしてその解決策は、まさに千差万別です。目まぐるしい環境変化の方向性を読み取り、資産経営(承継)のあるべきかたちを実現していくうえでもっとも頼りになるのは、やはりプロフェッショナルの確かな知見と見立てではないでしょうか。
資産承継や相続についてのお悩みは、SMBC日興証券・大手町支店まで、お問い合わせ・ご相談ください。

 

関連記事

TOP