1年で脳をイキイキ!認知症予防のための12カ月チャレンジ

健康と美容

最近もの忘れが増えた。こんなこと、ありませんか? 脳は使わなければ衰えていきます。このコラムでは脳をすこやかに保つための方法を、3人の先生が12回にわたって教えてくれます。ぜひチャレンジして、12カ月で認知症リスクを減らす生活習慣を身につけましょう。

●今月教えてくれる先生
梶川博(かじかわひろし)先生
医師、医学博士
医療法人翠清会 梶川病院 会長
日本脳神経外科学会 認定専門医

チャレンジ③血圧をコントロールしよう!


脳卒中が原因で起こる認知症に「血管性認知症」があります。このもっとも重大な危険因子が「高血圧(高血圧症)」です。 高血圧は別名サイレントキラー(静かなる殺人者)といわれ、とくに自覚できる症状が出ないため知らないうちに「動脈硬化」を進行させます。動脈硬化はいわば血管の老化で、全身の血液の流れが悪くなることで脳卒中や心臓病、腎臓病などさまざまな健康障害を引き起こします。例えば、脳の血管が詰まると、その先の脳組織に血液が届かなくなって「脳梗塞(のうこうそく)」を生じます。また、脳の血管が破れる「脳出血」では、出血の程度や場所によっては認知機能が低下します。
したがって、血圧の調節がとりもなおさず、血管性認知症を予防する最善の方策になります。
高血圧とは、家庭で測定した値が135/85mmHg以上、または診察室で測定した値が140/90mmHg以上の場合を指します(※)。
高血圧のおよそ約9割は「本態性高血圧」といわれるもので、その原因はいまだはっきりしません。高血圧のリスクとしては、遺伝的因子をはじめ、塩分の摂り過ぎ、肥満、運動不足、喫煙、飲酒といった生活習慣と加齢が関連しているといわれています。
最近は、塩辛いものを控える代わりに甘いものを食べる人が増えています。また、車社会では体を動かす必要が減ったことで糖の燃焼が低下し、「糖尿病」や「脂質異常症」の患者さんが増えました。これが、高血圧の場合と同じく動脈硬化、さらに脳卒中を介しての血管性認知症につながります。したがって高血圧とともに、糖尿病を防ぐことも大事です。また、脂質異常症の予防のために、動物性脂肪の摂取をひかえめにしましょう。
高血圧の治療では、血圧を下げる降圧薬が数多く開発され日本でも広く使われています。塩分を尿に出す「利尿薬」、血圧を上げるカルシウムの働きを抑える「カルシウム拮抗薬」など百ひ ゃっかりょうらん花繚乱で
す。ただ、どの種の降圧薬がもっとも有効かについては、まだ十分なデータはありません。まずは主治医と相談をして、血圧を正常値にまで下げることが大切です。
高血圧の人は血管性認知症だけではなく、「アルツハイマー型認知症」にもなりやすいといわれています。高血圧であるとわかったら、すぐに治療を開始して認知症を避ける努力をしたいものです。40歳〜50歳の中年期からぜひ始めましょう。今日からできる対策を上に紹介しました。参考にして、ぜひ実践してみてください。

※高血圧治療ガイドライン(2019/日本高血圧学会)

脳梗塞に負けないために知っておきたい、予防と治療法

 

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