輝く人126 大場久美子さん

インタビュー

頭に浮かんだことをすべてやろうと思ったら100年じゃ足りない
女優業のほかに、心理カウンセラーやエステティシャンとしても活躍している大場久美子さん。「一億人の妹」といわれたアイドル時代と変わらない、キラキラと輝く笑顔の秘密に迫ります。

アイドルよりも女優になりたかった

13歳で子役デビューした大場さん。女優をめざしたきっかけは?

 小学校の終わりに、ある劇団に入ったことが始まりです。当時、私はいじめにあってほとんど学校に行けず、長いこと引きこもり同然の生活をしていました。そんな中で劇団と出会い、ようやく外の世界に出ていくきっかけができたんです。しかも、芝居の中では自分とまったく違う存在になれる。それがすごく快感で「演じるって楽しい!女優になりたい!」という思いが一気に強くなりました。おとなしかった私が、初めて自分から「やりたい」と言い出したことだったので、両親もすごく応援してくれました。

歌手デビュー当初は女優というよりアイドルのイメージでした。

 そうですね。でも新人は、まずはたくさんの方に存在を知ってもらうことが大事。「歌で売れればいい役がもらえるようになるから」と説得されて、2年間だけという約束で承諾しました。私がやりたいのは女優、その気持ちが揺らぐことはありませんでした。結果的には劇団四季などの音楽を手掛けるプロデューサーの方と出会い、歌を通して表現する方法も学べたので、女優としてより成長したのではないでしょうか。

女優を辞めたいと思ったことは?

 それは、毎日でしたよ。コミュニケーションをうまくとれない子ども時代を過ごしたせいか、人と接するのがすごく苦手で、チームワークが問われる現場になかなか馴染めなかったんです。お芝居は大好きで、一人のショーなら楽しくできるのに、皆でやるとなると緊張してすぐにNGを出してしまう。そのたびに「私、女優に向いていないな」と思いました。実際、40代で心理カウンセラーになったときに自分で職業適性検査をやってみましたが、「芸能界は不向き」という思った通りの結果が出ましたね。でも、それでへこむのではなく「ダメなところでこれだけやったのはすごくない?」と都合よく解釈できるのが私のいいところ。そういうプラス思考の面があったからこそ、ここまで女優を続けてこられたのかもしれません。

人のためならいくらでもがんばれる

50代になってから数々の資格を取得されていますが、そのきっかけは?

 あるとき、私の無意識の感情に「大場久美子の芸は身を助けなかった」という言葉が浮かんじゃったんですよ(笑)。だったら何か手に職を付けておくべきかな、と。それで、知り合いの整体師の方からいろいろと教えてもらい、フットリフレクソロジスト(足底反射療法士)や音楽健康指導士の資格をとりました。「女優なのに、何を目指しているの?」と言われたこともあります。でも、ある人気YouTuberが「芸能界の人って芸能のことしかしないけど、いまはそういう時代じゃない。いろんなことをやっていい時代だよ」と言っているのを聞いて、「私は間違っていない!」と確信しました。そこから認知行動療法士や脳活性トレーナー、フェイシャルセラピスト、ハンドセラピストとどんどん資格が増えていき、気付いたら20個に。そしていま、さらに3つの資格をとろうと勉強中です。

その原動力は?

 子どものころ学校に行かなかった反動なのか、純粋に勉強が楽しいんですよね。それに私、人の役に立つことがしたくて、そのためなら体がどんどん動いて、いくらでもがんばれちゃう。次々とやりたいことが頭に浮かんでくるので、それをすべてやろうと思ったら100年じゃ足りないくらいです。心理学の世界では、2分間で1億8千万の文字や言葉、感情が生まれているといわれていますが、その大半は無意識で、意識できるものは200くらいで、訓練して言えるのはせいぜい10〜30個程度だそうです。私はその感度が高いのかもしれませんね。子どものころ学校に行かない私に母は「1+1が2ということよりも、赤と白を混ぜたらピンクになることを覚えておきなさい」と教えてくれました。その感性がいまに生きているのかな。

ご自身のためには何かしていますか?

 自分のためだけに何かをすることはありません。でも、人のためにやったことが、結果として私自身に役立つことはありますね。たとえば、脳活性トレーナーの勉強をしながら、それを実践してみたら記憶力がすごくよくなりました。もちろん年相応にど忘れはあるものの(笑)、最近のアイドルの難しくない踊りなら3回見れば踊れますし、久しぶりの芝居の台本もどんどん頭に入るし、介護している子どもたち(犬)の薬も一度聞けば忘れません。美容のことはつい後回しになりますが、専門知識があって機器もそれなりに揃っているので、いざとなれば自分で対処できるかな、と思っています。また、イメージキャラクターとして始めた加圧トレーニングでは、体がきれいに引き締まり体重が落ちました。それだけでなく、筋力がついて体も心もすごく軽やかになりましたよ。その成果もブログを通して発信しているので、ぜひ参考にしてください。

読者にメッセージをお願いします。

 最近、SNSなどでご自身のことを発信しているシニアの方が増えていますよね。それってすごく脳にいいんですよ。脳はわからなくて混乱する状態が大好き。だから、SNSなどの新しいものを不安がってシャットアウトするのではなく、わからないことを楽しんで、どんどん脳を混乱させてほしいと思います。

大場久美子(おおばくみこ)
1960年1月6日生まれ。埼玉県出身。劇団の子役を経て、1977年に「一億人の妹」のキャッチフレーズで歌手デビュー。翌年にはドラマ『コメットさん』に出演し一躍トップアイドルの座に上り詰める。歌手活動引退後は、舞台『放浪記』やドラマ『太陽にほえろ!』『水戸黄門』など数々の作品に出演。現在は女優業のほかに、20の資格を生かして心理カウンセラーやエステティシャン、リフレクソロジストとして活躍。動物愛護活動やボランティア、講演なども積極的に行っている。

 

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