1年で脳をイキイキ!認知症予防のための12カ月チャレンジ

健康と美容

最近もの忘れが増えた。こんなこと、ありませんか? 脳は使わなければ衰えていきます。このコラムでは脳をすこやかに保つための方法を、3人の先生が12回にわたって教えてくれます。ぜひチャレンジして、12カ月で認知症リスクを減らす生活習慣を身につけましょう。

●今月教えてくれる先生
森 惟明(もりこれあき)先生
高知大学名誉教授 
 
 

チャレンジ②血糖値をコントロールしよう!

 脳の健康とは関係がないように思える「高血糖」の状態ですが、実は近年、糖尿病に関連して起こる認知症が注目されています。
膵臓(すいぞう)から出るホルモン「インスリン」は、血糖を一定の値におさめる働きを担っていますが、糖尿病では、何らかの原因で「インスリン」が十分に働かなくなり、血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増えてしまいます。
高血糖の状態で何年も放置すると、血液はドロドロになり、血管を傷つけます。この状態が動脈硬化です。動脈硬化が進むとさらに血管が傷つき、将来的には心臓病や腎不全、失明、足の切断といったより重い合併症につながります。また、脳梗塞(のうこうそく)や脳出血といった脳血管障害を発症することもあります。その結果、「脳血管性認知症」を引き起こす恐れがあるのです。
糖尿病の患者さんについては、さらに「アルツハイマー型認知症」のリスクも報告されています。1985年から九州大学が開始した久山町で行われている疫学研究によると、「アルツハイマー型認知症」のリスクが糖尿病の患者さんの場合、血糖が正常な人に比べると2.1倍高いことがわかりました。
「アルツハイマー型認知症」は、脳に「アミロイドβ」という老廃物が溜まることによって引き起こされると考えられています。通常、アミロイドβは誰の体内でもつくられており、「インスリン分解酵素」によって分解されています。しかし高血糖の状態が続くと、インスリン分解酵素はインスリンを分解することで手一杯となり、アミロイドβの分解にまで手が届かなくなります。その結果、アミロイドβがたまってしまうといわれています。
また、アミロイドβは血管が拍動(はくどう)することでも排出されますが、糖尿病では拍動が少なくなるため、排出しづらくなるのではないかといわれています。
このようなことから、アルツハイマー型認知症を「脳型糖尿病」(脳の糖尿病)としてとらえる報告も出てきています。
糖尿病は遺伝的因子に加え、過食や運動不足などの生活習慣も発症の原因になるといわれています。
糖尿病に罹患しても、治療を継続することで良好な血糖コントロールができれば、通常と変わらない生活をおくることができ、認知症をはじめさまざまな合併症も防ぐことができます。今日からできる対策を上に紹介しますので、ぜひ参考にして、実践してみてください。

 

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