【最終回】人生100年時代の幸福論 身の丈を伸ばす生き方

旅・生き方

身の丈に合った生き方が尊ばれる昨今ですが、身の丈を伸ばす生き方こそ、あなたの人生に実りをもたらしてくれるでしょう。

⑫ [ 感謝は究極の幸せを生み出す ]

幸福だから笑うのではなく笑うから幸福になる

「笑い」の効用は免疫力の向上をはじめ、体にさまざまな良い効果をもたらすことがわかっています。
私たちが笑うとき、免疫のコントロール機能をつかさどっている「間脳」という脳の部位に興奮が伝わり、脳からは情報伝達物質の「神経ペプチド」が活発に生産されます。笑いによって作られた「善玉の神経ペプチド」は、血液やリンパ液を通じて体中に流れ、「NK細胞」の表面に付着し活性化させます。がん細胞やウイルスなど病気のもとを次々と攻撃するNK細胞が活性化すると、「免疫力が高まる」といわれています。逆に、悲しみやストレスなどマイナスの情報を受け取ると、NK細胞の働きが鈍くなり、免疫力も低下してしまうといいます。
糖尿病の患者さんは、不安や恐怖、悲しみ、痛みなどのストレスがあると血糖値が上がりやすくなりますが、笑うと血糖値が低下することがわかっています。
「幸福論」を書いたフランスの哲学者・アラン( 1 8 6 8 〜1951年)は、次のような言葉を残しています。
「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」
この言葉を証明する科学的根拠として、口角を上げて「作り笑顔」をするだけで、快い感情を引き起こすという脳の「ドパミン系」の神経活動が活発になった、という報告があります。
人にも自分にも笑顔を意識して、ぜひとも笑いの効用を得たいものです。

「ありがとう」は人を幸福にする魔法の言葉

「ありがとう」という言葉が嫌いな人はいないと思います。「ありがとう」という言葉は、人の心を動かします。
実は、「ありがとう」と人から言われるだけでなく、自分に対して発することで、自分の心も同じように喜びます。
「ありがとう」は、「有り難う」と書きます。「有り難い」ということは、その確率が極めて低いため普通ではあり得ないような恩恵を受け、その計らいを設定してくださった神様や仏様に感謝する気持ちが込められた言葉です。
この世には、当たり前のことは何ひとつありません。この世のあらゆるすべてが有り難いことです。
よくよく考えてみますと、いまあなたがこの世に存在していること自体が有り難いことなのです。
「感謝する」ことは大変素晴らしい行為ですが、心の中でただ思っているだけでは相手に伝わりません。親切を受けたときは当たり前と思わず、お礼の言葉として思い切って声に出して「ありがとう」と伝えてみてはいかがでしょうか。

感謝は究極の幸せを生み出す

 幸せが感謝の心を生むのか?それとも、感謝の心が幸せを生むのか?どちらでしょうか?それは、「感謝の心こそが幸せをもたらす」ようです。
神経伝達物質の「オキシトシン」は、人と人との絆や人間関係において重要な働きをすると考えられています。感謝の気持ちを表すほどオキシトシンの分泌が増え、人との絆が深まり、幸福感が増すのではないかと考えられています。
私たちは、すべてが非常に順調なときに感謝の気持ちを持つことは比較的簡単です。しかし苦難のとき、生活を改善しようと努力しているときはどうでしょうか?大丈夫です。こういったときでも心掛け次第で、感謝の気持ちを持つことはできるのです。
世の中には不幸な境遇や難題に直面しながらも、感謝と幸せの心で乗り切った人たちが多くいます。
感謝しながら、人を恨んだり怒ったり、自暴自棄になったり絶望を感じることはできません。つまり、感謝することによって自分自身の態度や姿勢が変わり、幸せにつながるのです。
また、自分にとって悲しい出来事があったとしても、それをどう捉えるかは自分次第です。
「世の中には幸せも不幸もない。ただ、考え方でどうにでもなるものだ」
これは16〜17世紀初めのルネサンス期を代表するイギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア(1564〜1616年)が残した格言です。
物事をポジティブに考えようとする「陽転思考」(ポジティブ・シンキング)を常に心掛けている人は、自分だけではなく、周囲にも明るい希望を感じさせ人を幸せにします。周囲に与えた陽の気は、その人の魅力となり、いずれは外から本人の幸福となって還ってきます。
感謝の心を持つには日頃から意識的な努力が必要ですが、ほかの能力と同様に、日々の習慣になるにつれて少しずつ強化され、努力なしでも実践できるようになります。日々「笑顔」と「感謝」を心掛け、人も自分も幸せにしたいものです。

 

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