木村重男先生の上手な老い方手帖

旅・生き方

人は生きてきたとおりに齢をとる。「いい年のとり方をしましたね」と言われるように。
良いも悪いも受け取めて、一日一日を大切に生きる、木村重男先生の珠玉のコラム。

⑥孫とどうやってかかわるか?

 少子高齢化、核家族化、晩婚化などで、孫と暮らしていない、または孫がいない「祖父母」が多い一方、共働き夫婦にとって子育ては大きな課題で、おじいちゃん、おばあちゃんの存在は大きく、ありがたいものです。
「保育園の送り迎えや諸行事の参加、食事、遊び相手など、共働きの娘夫婦に代わっての孫育ては、孫の顔を毎日見られてうれしいが、悩みも結構ある」とKさんから相談がありました。
Kさんは、孫育てにどこまで口を出せばいいのか、娘と激しくやり合うことがあったそうです。
そんなとき、「子育て、しつけは最終的には親の責任」ということに気が付いて、孫育てのうえで迷ったときは娘夫婦に任せるようにしてから気も楽になり、若夫婦との信頼関係ができて、お互いにうまくいくようになったと言います。
若夫婦のなかには、孫の成長の過程で入学式、七五三、成人式など物入りが必要なときは「おじいちゃん、おばあちゃんが出してくれる」と決めてしまっている人たちもいます。
祖父母の方も孫に気に入られたくて、「親に内緒よ」と孫に直接、金や物品を渡す人も少なくありません。いくら孫がかわいいからといっても、こうした「ひいきの引き倒し」はルール違反です。
こんな場合は、必ず親の目の前か、親の手を通して渡すのが順序です。そのうえで、本人にお礼を言わせることも忘れないようにしたいものです。
孫にとって、両親以外の大人とのかかわりはいい経験であり、とくに社会的マナーやルール、金銭の大切さなどについては、経験豊富な高齢者は孫の良き教育者であり、人生の目標であってほしいものです。
祖父母は、単なる世話人、便利屋、金品の出資者であってはいけません。若い人ほど自分にとって都合のいい方になびきやすい、という危険を認識するべきです。

木村重男(きむらしげお)
一般社団法人倫理研究所 参与。
文部科学大臣から社会教育功労賞を受賞。著書に『夫婦の玉手箱』『豊かな人生を拓く玉手箱』など多数。

 

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