人生100年時代の幸福論 身の丈を伸ばす生き方「 先人の叡智から学ぶ人生の指針」

旅・生き方

身の丈に合った生き方が尊ばれる昨今ですが、身の丈を伸ばす生き方こそ、あなたの人生に実りをもたらしてくれるでしょう。

⑪ [ 先人の叡智(えいち)から学ぶ人生の指針 ]

人生の意味とは心の平安のために貢献すること

 人類に文明が生まれて以来、古今東西の偉人達は「人生の意味」を考えてきました。人生の意味を考え続けるとわからなくなりますが、まずは考えることが回答を得るスタートとなります。
古代ローマの哲学者・セネカ(紀元前1年頃〜65年)は「生涯かけて学ぶべきことは死ぬことである」と言っています。
現代物理学の父と呼ばれているアルベルト・アインシュタイン(1879〜1955年)は、「現代科学に欠けているものを埋め合わせてくれるものがあるとすれば、それは仏教だ」と言っています(※1)。
人生の意味とは?という質問に対して、万人が納得する答えは出ていませんが、歴史的に見て多くの著明な人が悩んだ末に出した結論は、その回答を仏教に求めているということです。仏教では「人間は宇宙の命で、宇宙の恩恵に感謝し、心の平安のために貢献することが人間らしい生き方だ」と教えています。このような生き方ができれば、生きることが幸せになります。できれば若いときから、人生の意味を見出す努力をすることが、「豊かな人生」につながるのかもしれません。逆境の極限で生きる意味を問うたフランクル「生きる意味」を考えていく上で大きなヒントを与えてくれるのが「夜と霧」を著した心理学者のビクトール・E・フランクル(1905~1997年)です。
彼は第二次世界大戦時にナチスドイツの占領下の強制収容所に収容された経験を持ち、そこでの経験から生きる意味について述べています(※2)。発揮することで、自分なりの人生の意味を見つけ出そうと、もがき苦しむのです(※3)。

※1 弓場隆(編集, 翻訳)アインシュタインの言葉 ディスカヴァー・トゥエンティワン; エッセンシャル版2015
※2 V.E. フランクル(著) 山田 邦男, 松田美佳(翻訳) それでも人生にイエスと言う 春秋社, 1993
※3 ヴィクトール・E・フランクル (著) 山田邦男(翻訳) フランクル回想録―20世紀を生きて 春秋社, 2011

困難の中にこそ生きる意味は潜んでいる

 彼は、アウシュビッツ強制収容所の絶望的な状況の中でも生きる意味を見出し、人間らしさを失わない人たちがいることを発見しました。また、末期がんの患者たちが、病を受け入れて死ぬ寸前まで自分の人生を全うしていく姿を目の当たりにしました。
「ロゴセラピー」(人が自らの「生の意味」を見出すことを援助し、心の病を癒す心理療法)を提唱した彼は、抱えている困難の中にこそ生きる意味は潜んでいて、どんなときでも人生には「なすべきこと」「実現すべき意味」が必ずあって、発見され実現されるのを待っている、と言っています。
それを探すための指標として彼が提示したのが「3つの価値領域」です。すなわち、人生において実現すべき意味は、次の3つの領域に区分されると言います。
❶「創造価値」
何か活動し創造することによって実現される価値
❷「体験価値」
何かを体験することによって実現される価値
❸「態度価値」
自分ではどうしようもない状況、変えることのできない運命に直面したとき、その窮きゅうじょう状に対してとる態度や姿勢によって実現される価値
誰でも、その人が背負わなければならない過去や変えられない運命を持っています。それに対して、どんな態度をとるかは、その人次第です。運命を受け入れ、そこから前向きで勇気ある姿勢をとることもできます。
たとえ創造価値、体験価値の可能性が断たれようと、態度価値を失うことはありません。どんな絶望的な状況に置かれようと、これによって人生を意味あるものにすることができると述べています。

 

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