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知っておきたい3つの感染経路 感染経路を絶って防ぐ身近な感染症

 引き続き新型コロナウイルス感染症への注意が必要な中、風邪やインフルエンザなどの感染症も流行る季節になりました。これらの身近な感染症のおもな感染経路は次の3つです。対策とともにみていきましょう。

3つの感染経路

❶ 飛沫感染
「かぜ(急性上気道炎)」、「インフルエンザ」や「マイコプラズマ」による肺炎など、のどの奥にある気道から感染する感染症の多くは「飛沫感染」で広まります。
 インフルエンザなどに感染した人が咳やくしゃみをすると、口から飛び出した飛沫は1~2mの範囲まで届きます。この飛沫にはウイルスなどの病原体が含まれており、他の人が呼吸とともに鼻や口から吸い込んでしまうことで感染源となります。
❷ 空気感染
 感染した人がした咳やくしゃみの飛沫の水分が蒸発すると、ウイルスなどの病原体を核とした、ごく小さな「飛沫核」となって空気中を漂います。これをほかの人が吸い込むことによって感染するのが「空気感染」です。
 日常生活で空気感染を完全に防ぐことはかなり難しく、一番の対策は「感染している人と同じ部屋で一緒に過ごさない」ことです。感染した人は、感染を広げないよう「むやみに外出したり移動したりしない」ことが基本です。部屋の換気も定期的に行いましょう。
❸ 接触感染
「接触感染」とは、感染者の病原体が、健康な人の皮膚や粘膜から直接入って感染することをいいますが、広い意味では病原体を含む咳やくしゃみの飛沫が付いた場所に触れた手で、自分の鼻や口を触って感染する場合も接触感染といいます。
 普段、私たちは「手」でいろいろなものを触っています。そして無意識のうちに、その手で、目や鼻、口をよく触っています。日常生活ではこうしたときに接触感染が起こります。

感染経路を断つ予防対策

❶ 手洗いをする
 私たちは外出すると、駅の階段の手すり、公共施設の扉、電車のつり革など、不特定多数の人が触る可能性があるものに触れます。
 それらには、感染した人の飛沫が付いているかもしれません。ですから学校や職場に着いたとき、自宅に戻ったときなど場所を移動したあとは、必ず手を洗うことが大切です。手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで100分の1に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒以上すすぐと1万分の1に減らせます。
❷ うがいをする 外出先では、呼吸とともにウイルスなどの病原体を吸い込んでいる可能性があります。吸い込んだ病原体のほとんどは、鼻から肺にいたる気道の粘膜にとらえられます。気道の粘膜には「腺毛」という非常に小さな毛が生えており、病原体は腺毛のベルトコンベアーのような動きによって外へ向かって排出されていきます。うがいには、のどまで押し戻された病原体を洗い流し、感染を防ぐ効果があります。外出先から戻ったら、手洗いと一緒に必ずうがいもするようにしましょう。
❸ マスクの着用
 咳やくしゃみが出るとき、会話をするときは必ずマスクを着用し、飛沫の拡散を防ぎましょう。たとえ咳やくしゃみが出なくても、マスクの着用には外出先で病原体の付いてしまった手指が、鼻や口に直接触れることを防ぐ効果もあります。
❹ 湿度を保つ
「湿度を40%以上に保つ」ことも、感染予防には効果的です。ウイルスが増殖できるのは生きた細胞の中だけです。空気中のウイルスは紫外線などの影響で徐々に死滅していきます。ところが、たとえばインフルエンザウイルスの場合、乾燥した環境であれば6時間以上は生存することがわかっています。乾燥しやすい冬にインフルエンザが流行るのはこのためです。ですから加湿器などを活用し、湿度を40%以上に保ちましょう。湿度が上がると、気道の防御機能も活発になります。
❺ ワクチン接種
「ワクチン接種」も感染拡大を防ぐ効果が期待できます。空気感染によって広まる「結核」、「麻疹(はしか)」、「水痘(水ぼうそう)」、「インフルエンザ」には、ワクチンが開発されています。
❻ アルコール(エタノール)消毒
 新型コロナウイルスの除去には、アルコール消毒液が有効です。適量を手指によくすりこむことで、アルコールがウイルスの「膜」を壊して無毒化します。濃度70%前後のアルコールがもっとも有効です。

※アルコール(エタノール)を含めて、どんな消毒剤や除菌剤であっても全ての菌やウイルスに効果があるわけではありません。目的にあった製品を正しく選び、正しい方法で使用しましょう。

●監修者竹田 美文
(たけだよしふみ)
元 国立感染症研究所所長
公益財団法人野口英世記念会 理事長

 

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