芝田千絵のアートライフ vol.18

コラム

 空は空色、栗は栗色というように物の名前から色を表すことがあります。茶色の髪よりもむしろ栗色の髪という方が、同じ茶系でも赤茶の深みのある色をイメージすることができます。
色は色彩の世界だけでなく、生活に身近なことわざ・慣用句にもよく使われます。ひな鳥のくちばしが黄色いところから若くて未熟なことを「くちばしが黄色い」、他人のものは何でもよく見える「隣の芝生は青く見える」、驚くさまを「目を白黒させる」、人は環境や相手によって良くも悪くもなる「朱に交われば赤くなる」。色が入ることですぐに情景が浮かび物事が理解しやすくなるのかもしれません。
ピカソの「青の時代」は、二十歳ごろに経験した友人の死をきっかけに、青色の闇に覆われた悲壮感漂う作品を描きました。幸福の画家と呼ばれたルノワールは、「人生は不愉快なことだらけ」だからこそ光と色彩で幸福感あふれる作品を多く残しました。画家にとって色彩はとても重要で、ピカソやルノワールは内に秘めた思いや精神性を色によって表現していたのでしょう。
紅葉の季節。私たちも黄色から赤へと深まる秋色を楽しんでみませんか。

芝田千絵さん 芝田 千絵 画家/グラフィックデザイナー
1985年東京生まれ。
2010年東京藝術大学を卒業し、12年同大学大学院修士課程を修了。
直線や曲線、幾何学模様と動物や熱帯魚などの組み合わせから非日常の世界を表現。アクリルガッシュで描き、マットで風合いのある表現が特徴である。
HP: chieshibata.com

 

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