特集

新型コロナに感染すると重症化しやすい「糖尿病」との向き合い方

自覚症状がないから怖い予備軍含めて2000万人

 日本で糖尿病の疑いがある人は1000万人を超え、糖尿病予備軍を含めると約2000万人に上るとされています(※)。人口比にして5~6人に1人の計算です。糖尿病患者のおよそ9割が生活習慣と関係する2型糖尿病であり、自覚症状がないまま進行することから、早い段階での対応が重要視されています。
 糖尿病を持つ人が新型コロナウイルスに感染すると重症化するリスクも指摘されており、糖尿病の疑いがある人にとっては不安も大きいwithコロナ時代。そこで、糖尿病の判断基準や感染症のリスクと対応について、糖尿病専門医の弘世貴久先生にお話を伺いました。

※2016年10月~11月に全国から抽出した2万4187世帯を対象に実施した、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」より 

●お話を伺った方 弘世貴久(ひろせたかひさ)先生
東邦大学医療センター
大森病院 
糖尿病・代謝・内分泌センター
センター長・教授

糖尿病判定の3段階正しい診断で自分の状態を知る

「糖尿病予備軍って自覚症状はあるの?」
「糖尿病と予備軍の違いや判断基準は?」
知っているようで知らない糖尿病の基本について。

自覚症状がなくても危ない糖尿病の「境界型」とは?

 糖尿病で怖いのが合併症です。しかし糖尿病の症状は現れにくいため、定期健診を受けていないと受診が遅れがちになる場合が多い、と弘世先生は言います。
「糖尿病の合併症はおもに「神経障害((しんけいしょうがい)」、「目の網膜症(もうまくしょう)」、「腎症(じんしょう)」の三大合併症と、動脈硬化による「壊疽(えそ)」「脳梗塞(のうこうそく)」「虚血性心疾患(き ょけつせいしんしっかん)(狭心症や心筋梗塞)」などです。三大合併症は糖尿病特有のものである一方、動脈硬化症は自覚症状のない時期からでも進行するため、早いうちに予防することが大切です。」
 そもそも糖尿病予備軍とはどういう状態なのか?弘世先生によると、糖尿病判定には「正常型」「境界型」「糖尿病型」の3段階があり
❶ 空腹時血糖値
❷75g経口ブドウ糖負荷試験
❸ HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の検査のうち、① が1 1 0 ~1 2 5 ㎎ / ㎗、② が1 4 0 ~199㎎/㎗の場合を「境界型」とよび、自覚症状がない「糖尿病予備軍」に当たると言います。
「空腹時の血糖値は正常でも、食後に高血糖の状態になる人も多く、現在は食後の血糖値が重要視されていることからも、自分が境界型かどうかを正確に測るには、②の検査を受けることが望まれます。」
 つまり、空腹時血糖値110㎎/㎗未満でも「境界型ではない」とは言い切れないのです。

糖尿病でも怖がり過ぎないコロナ重症化リスクを避ける

糖尿病と新型コロナウイルスの関連性について、
糖尿病専門医の見解と対策について紹介します。

血糖値の上昇=免疫低下血糖コントロールの重要性

 糖尿病の人は新型コロナウイルスに感染しやすい、と誤解している人が多いと弘世先生は言います。「感染しやすいわけではなく、重症化しやすいということです。その理由の一つが免疫機能の低下です。血糖値が上ると免疫機能が低下します。新型コロナウイルスに限らず、糖尿病は感染症が重症化しやすい病気です。ウイルスに感染することでヒトの体はウイルスを攻撃し、それにより血糖値が上がるためさらに免疫力を弱めてしまい、負のスパイラルに陥るのです。糖尿病の合併症が原因で重症化することも考えられます。心臓疾患や腎臓疾患、高血圧や肥満の人も注意が必要です。」
 一方、糖尿病だからといって、怖がり過ぎる必要はないと先生は言います。「糖尿病の状態が重要で、血糖値をコントロールできているか否かによります。例えば、糖尿病でインスリン治療を続けている人の重症化リスクが高いかと言うと、自分の状態を把握し、インスリン注射で血糖をコントロールできていれば、逆にリスクは低いでしょう。逆に、まだ発症していない糖尿病予備軍であっても、感染症による血糖値の悪化は個人差が大きいため、決して安心とは言い切れません。大事なのは自分の血糖値の状態を知ることです。万が一、新型コロナウイルスに感染しても、すぐに血糖値を良好にコントロールできれば、重症化を防げるという見方もあるのです。」
 コロナ禍においても、糖尿病との基本的な向き合い方は変わらないと弘世先生。食事と運動で血糖値をコントロールすることが大事だと言います。
「運動することでインスリンの効果が高まり、血糖値が下がります。自粛という観点から自宅に閉じこもって運動をしないと糖尿病を悪化させます。ソーシャルディスタンスを保ちながら、食後に30分ほどの有酸素運動を無理なく続けましょう。1日3食、バランスの良い食事をとることも大切です。よく噛んでゆっくりと、腹八分目に抑えましょう。たとえ体重は減らなくても、食事と運動を一週間続ければ中性脂肪などの数値は改善します。自分の体の状態を知り、どんなリスクが考えられるかを主治医に聞いておくことで、病気の重症化を避けることにもつながるはずです。」

 

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