コラム

心を充たす旅 静岡県熱海市

齊藤市長に聞く変化する熱海

東京からわずか4 0 分の温泉リゾート地・熱海。ポストコロナにおいて観光客とどう向き合うのか?「熱海海上花火大会」の再開を決めた熱海市を訪ねました。

●お話を伺った方齊藤 栄(さいとうさかえ)
静岡県熱海市長
2006年、市長に就任。現在4期目を務める。趣味は「熱海」。著書に『まちづくりから日本を変える』
海南書房刊がある。


熱海海上花火大会のお知らせ※
2020年9月22日(火・祝)/10月10日(土)、24日(土)/12月6日(日)、13日(日)/2021年1月23日(土)
疫病退散を由来とする花火で災害からの復興を祈念会場となる熱海湾は、3面を山に囲まれた「すり鉢」状地形のため音が反響しやすく、さながら大スタジアムのような音響効果があり、花火業者も絶賛する日本一の花火打ち上げ会場です。8月の花火大会の様子は、「YouTube」熱海市役所公式チャンネルで公開しています。

【熱海海上花火大会のご注意】
※熱海市では、大会当日の密集を避けるため宿泊客は客室から、市民・別荘所有者は自宅などからの観賞を推奨。会場で観賞する際は、マスク着用と距離の確保、手洗い・うがいの励行などの感染症対策への協力と、体調が優れないときは会場での観賞を控えるよう要請しています。
※状況により変更・中止となる場合があるため公式ホームページで最新の情報をご確認ください。

観光の街、熱海のいま

 観光が経済の大部分をなす静岡県熱海市。最盛期は530万人だった宿泊者が、2011年には246万人までに激減。それがここ数年で300万人を超える(入湯税ベース)までにV字回復しました。
 その成功が多くのメディアに取りあげられるなか、今回発生した新型コロナウイルスによる世界的なパンデミック。この大波は当然、熱海市にも振りかかっています。
 観光で成り立つ街はいま、どのような状況にあるのでしょうか。
 本誌は観光の街・熱海市を訪ね、齊藤市長にお話を伺いました。

万全の感染症予防対策

 人口3.7万人。小さな行政体にも関わらず地名度は抜群の熱海市。
 7月23日、市街に到着した私たち取材陣は、まずは熱海サンビーチをのぞいてみることにしました。今年は海開きをしない自治体が多いなか、四連休の初日に海開きをしたというビーチは、長梅雨による曇天の影響もあり海水浴客はまばら。監視員にコロナ感染予防対策について伺ってみると、ビーチ入場の際は色の異なるリストバンド装着により滞在時間を管理。また野外とはいえ三密を避けるためにAIカメラを導入して滞在人数を監視、ビーチ内が3000人を超えると入場制限をかけるなど、安全・安心の中で熱海を楽しんでもらおうと市独自の感染予防対策ガイドラインが設定されていました。

変化し続ける熱海

 次に、熱海市役所の市長執務室を訪問。「真実一路、為せば成る」が座右の銘という齊藤市長に、まずは熱海市の歴史と展望についてお聞きしました。
「明治政府誕生から熱海150年の歴史を振り返ってみると、華族や文豪の別荘地として栄えた明治期、新婚旅行や企業の慰安旅行先のメッカとなった高度成長期を代表とする隆盛期、そしていまと3つの時代があります」と、熱海市の歴史を分析。ちなみに1918年に「スペイン風
邪」が流行した際は、温暖な気候と東京から近いことが理由で、熱海は東京からの避難先候補地として注目されます。
「現在コロナ禍のさなかにあって、改めて熱海は観光が主産業であると認識しています。しかし、これまでも時代が変化する中、熱海もまた変化し続けることでさまざまな困難を乗り越えてきました。これからも「変化し続ける観光地・熱海」として、箱根や伊豆地域における拠点としての機能を担い、今度の感染下においても、新しい生活様式での観光スタイルを作ってまいりたいと思っています。」

「趣味は熱海」

 現在57歳という齊藤市長のプライベートについて伺ってみると、「趣味は熱海」ときっぱり。「熱海の高台から見える初島の風景は格別です。朝に夕に、さまざまな顔を見せてくれます。また、海面から昇る朝日も格別ですし、夜は月の道もいいですね。ムーンテラスの突端に浮かぶ満月は絶景です。温泉があり、文化があり、芸者さんがいて、背後に富士山を頂く熱海は、日本の縮図とも言えるのではないでしょうか。」
そう話す市長の少年のように輝く瞳からは、激務の間隙を縫ってこれらの景観を自宅から楽しみ心身を癒している様子がうかがえました。

坂道が生み出す絶景

 良いことずくめに思える観光地・熱海。課題はないのか伺ってみると「いっぱいあってキリがないですよ。一番は「坂」ですね。坂はなくせませんが、歩道のバリアフリー化などを進めています。」という返事が。熱海は海面から直ぐに急斜面、その斜面に市街地が広がる特有の地形
で、海から直線で500mほどの距離にある熱海駅の海抜は70mです。確かに坂道は観光客のモビリティの足枷(あしかせ)にはなりますが、
同じく坂のある西ヨーロッパのサンレモやニースなどの景勝地では坂が活きています。坂道をのぼる途中の景色は刻々と変化します。それもまた、坂のある街の魅力の1つでしょう。

【取材を終えて】―――――――――――――
 熱海駅前。駅舎から吐き出される客足はまばら。観光で成り立っている街のいまと先を憂う。
しかし熱海には資産がある。温泉という価値。それを核におもてなしの志を持った旅館、ホテル。梅園、美術館、史跡、芸妓や女将の文化、整備されたビーチにヨットハーバー。そして食の楽しみ。これらについてはまた後日紹介したいと思う。

●取材・寄稿者伊勢谷宣仁
オペラ季節館代表
一般社団法人東京芸術院理事長
昭和音楽大学・同大学院元教授

 

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