木村重男先生の上手な老い方手帖「老後の三大不安〜介護」

旅・生き方

人は生きてきたとおりに齢をとる。「いい年のとり方をしましたね」と言われるように。
良いも悪いも受け取めて、一日一日を大切に生きる、木村重男先生の珠玉のコラム。

❷老後の三大不安〜介護

 老後の三大不安は生活費、病気、介護ですが、なかでも介護は、する側もされる側も気苦労があり大変です。
「介護が終わるのは、その人が亡くなるとき。子育てのような達成感も明るい未来もない中で、24時間心身ともに休まらずに消耗し続ける生き地獄のような介護生活が続くと、そのむなしさと悲しさから、うつ状態となるケースも少なくない」といわれています。
心理カウンセラーの和田由里子さんは、自身も認知症の母親を介護した経験から「『長く生きて』という気持ちと、『早く死んで』という矛盾した気持ちの葛藤に悩まされた」と振り返っています。
警察庁によると、「介護・看病疲れ」が動機の殺人事件(未遂を含む)で加害者に共通する点は、
①責任感が強く熱心に介護してきた人
②仕事と思って手を抜くことができない男性
③親戚や介護サービスなどの支援を受けず孤立化した人
などに多いといいます。
介護に悩んだ際の対処法は――
●独りで抱え込まない
●家族や友人に相談する
●各自治体にある「地域包括支援センター」に相談する
●悩みやつらさを誰かに話す
●ヘルパーやケアマネジャーら家族以外の支援も受ける
和田さんは「介護は独りで抱え込まず、各自治体にある地域包括支援センターなどに相談し、介護体制を整えることが重要」と強調しています。
なお、介護サービスを受けたり、施設に預けたりすることは決して恥ずかしいことではなく、当然のことという意識で、社会全体に浸透させる必要があるのではないでしょうか。
誰もが避けて通れない老後の不安に対処するとともに、自分自身も人のよき相談相手となれるよう、日ごろから心掛けたいものですね。

木村重男(きむらしげお)
一般社団法人倫理研究所 参与。
文部科学大臣から社会教育功労賞を受賞。著書に『夫婦の玉手箱』『豊かな人生を拓く玉手箱』など多数。

 

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