コラム

お江戸をもっと楽しもう!ほ ーりーが行く!暖簾(のれん)越しお江戸の風景

暖簾越し お江戸の風景

歴史に詳しい「お江戸ル」として活躍中の「ほーりー」こと堀口茉純さんが、江戸から続く凮月堂の時代にタイムスリップ。当時の世の中はどのようなことが起きていたのでしょうか?

第三回 商家のファッション

一目で身分がわかる装い

庶民の文化が開いた江戸時代。人々は職業や身分に応じた装いを楽しむようになりました。では、凮月堂のような商家は一体どんなファッションだったのでしょうか。
江戸時代のファッションの特徴は、一目見ただけでその人の身分や立場がわかるようになっていたこと。例えば、凮月堂の近隣である日本橋に店を出していた呉服屋・白木屋では入店5年目までは店からの支給品の着物しか着用が認められず、8年目までは木綿しか着てはならない。9年目以降は冬の小袖や羽織に青梅藍縞の着用が認められ、太織りの無地の紋付を許されるのは12年目以降、黒紬紋付を許されるのは15年目以降。絹を身に着けられるのは18年目以降など細かく服装規定がありました。面倒に思ってしまいますが逆にいうと、自己紹介をしなくても装いだけである程度の情報が相手に伝わるので、便利といえば便利だったようです。

真田親子にゆかりの上田縞

大店の主人が好んだ装いは上田縞の着物でした。信州上田では戦国時代に真田昌幸・幸村親子が織物業を奨励したことがきっかけとなり、江戸時代中期には絹を使った高級品の上田縞が完成。富裕層に好まれるようになったのです。上田縞は高いだけでなく強いことも人気の秘訣。なにしろ大阪の陣で大活躍した真田親子にゆかりということで箔がつき、実際に「裏三代」といわれ裏地を3度取り替えるほど長持ちしたそう。裏地を3回も替えるということは、それだけ繰り返し使うということ。
1枚の着物を大事に使ったんですね。
ちなみに庶民の着物に使用できる色彩は、幕府による奢侈(しゃし)禁止令のために藍色・茶色・鼠色を中心にした地味なものに限定されていました。しかし、そこは発想の転換で、それぞれの色で100種類以上のグラデーションを駆使して俗に四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)といわれるカラーバリエーションを作り上げていったのです。制約のなかで知恵を絞ってファッションを楽しむ江戸人の心意気。うーん、カッコいい!

●本文・イラスト/堀口茉純さん
2008年に江戸文化歴史検定一級を最年少で取得すると、「江戸に詳しすぎるタレント=お江戸ル(お江戸のアイドル)」として注目を集め、執筆やイベント、公演活動などで江戸⇔東京の魅力を発信し続けている。
『吉原はスゴイ~江戸文化を育んだ魅惑の遊郭』(PHP新書)など著書多数。女優として舞台やドラマに多数出演。
NHKラジオ第一『DJ日本史』などにレギュラー出演中。

サクッと粋な東京名物 「東京カラメリゼ」
生粋の江戸っ子企業である上野風月堂から2010年に誕生した”東京名物”を発信する東京ブランド「東京カラメリゼ」。「カラメリゼ(焦がし砂糖)」をテーマに、香ばしい香りと甘くてほろ苦い味わいのお菓子をお届けしています。ウエハースの表面に砂糖とメイプルシュガーをのせて焼き、カラメライズした食感が愉しい、東京カラメリゼブランドの代表商品。新しくて、どこか懐かしい、東京生まれの粋なお菓子です。
 

 

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