都内の名処

シニアライフ・コンシェルジュが案内する都内の名処⑫

都内の名処

CHAPTER12 江戸の潮風かおる浜御殿 浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)

東京に観光名所は数あれど、あまり知られていない穴場スポットは数多く存在します。そんな「都内の名処」を、隔月でシニアライフ・コンシェルジュ藤野政史がご案内します。今月は、JR新橋駅から徒歩12分、江戸の趣をいまに伝える「浜離宮恩賜庭園」に出掛けてみましょう。

江戸時代を代表する庭園

 昭和21年に開園した浜離宮恩賜庭園は、江戸城の出城として機能していた庭園です。寛永年間(1624~ 1644年)には、徳川将軍家の鷹狩り場として使われていましたが、徳川家宣(いえのぶ)が六代将軍になったのを機に、将軍家の別邸になりました。
 造園や改修を重ね現在の姿になったのは、十一代将軍家斉(いえなり)の時代だといいます。「約200年前に家斉が見た景色を感じていただけるよう、維持に努めています」と話すのは、浜離宮恩賜庭園サービスセンターのセンター長を務める中山さんです。オリジナルの法被(はっぴ)姿で、園内を案内していただきました。
 浜離宮には特筆すべき特徴がたくさんあります。都市のインフラ整備が進んだ現代では珍しく、園内の池に海水を引き入れていること。そして、江戸時代から続く2つの鴨場(かもば)が残っていること。「小覗 (このぞき)」の中に設置した木の板を鳴らしてアヒルを餌付けしておき、餌を求めて「引堀(ひきぼり)」に集まるアヒルを追ってくる鴨を鷹に捕らえさせるという「鷹狩りのための装置」を見ることができます。将軍が鷹狩りで鴨を捕らえられるように、工夫を重ねた家臣たちの努力の跡がうかがえます。
「特別名勝であり、特別史跡でもある。この2つに指定されている場所は全国的に見ても少ないんです。そんな場所が、周囲を高層ビルに囲まれた東京に残っていることが貴重です」と中山さん。季節を彩る藤棚や梅林、美しく整備された御茶屋、御伝い橋(池の上から風景を眺めるための橋)の下を元気に泳ぐボラやクロダイの姿。将軍家だからこそ享受できた優雅な庭園でのひとときに思いを馳せながら歩くと、東京にいることを忘れそうです。園内の水上バス発着場を利用し、船上から浜離宮を臨めば、船で浜離宮を訪れていた将軍の気持ちをより深く想像できるのではないでしょうか。
 来園するためのルートとしておすすめなのは「築地市場」駅から歩くルートです。中山さんには「築地側からの道は平坦で歩きやすいだけでなく、築地場外市場に立ち寄って食べ歩きも楽しめます。海外からのお客様も多いですが、都内に暮らす方にこそ、身近な場所で江戸を感じてほしいと思います」とご提案いただきました。

高さが8メートル、横幅が17メートルほどある「三百年の松」。庭園を大改修した六代将軍家宣をたたえて植えられたとされる雄大なクロマツ。

東京湾から隅田川へ。浅草やお台場海浜公園など東京の観光スポットを巡りながら浜離宮にアクセスできる水上バス発着所。

「小覗」の中に設置した木の板を鳴らすと「引堀」に集まってくるアヒル。そのアヒルを追ってきた鴨を鷹が捕らえる。
※現在、アヒルはいません。

サクラ、ウメ、コスモスなど季節の花が目を楽しませてくれる浜離宮。お花目当てで来園する方も多い。4月中旬から5月上旬はツツジが見頃を迎える。

可美真手命(うましまでのみこと)銅像

明治天皇の銀婚式を記念して、明治27年に旧陸軍省が贈った銅像。可美真手命は饒速日命(にぎはやひのみこと)の子で、神武天皇の東方遠征に従い活躍したことから、軍神とされた。両手に刀を抱く姿が勇ましい。

将軍お上がり場

将軍が船を乗降する際に使用した船着き場。東京湾に向かって石階段が敷かれている。幕末、鳥羽・伏見の戦いに敗れた最後の将軍徳川慶喜もここから上陸した。

横堀水門

潮位を確認しながら横堀水門を開け閉めすることで、「潮入の池」の水位を調整している。ボラ、ハゼ、ウナギなど海の魚たちが暮らしている池では、かつては釣りが楽しまれていた。

浜離宮恩賜庭園

■所在地/東京都中央区浜離宮庭園1-1  
■電話番号/03-3541-0200
■最寄駅/【大手門口】都営地下鉄大江戸線「築地市場」駅「汐留」駅・ゆりかもめ「汐留」駅より徒歩7分、JR・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線「新橋」駅より徒歩12分 【中の御門口】都営地下鉄大江戸線「汐留」駅より徒歩5分、JR「浜松町」駅より徒歩15分 【浜離宮(水上バス発着場)】東京水辺ライン(墨田区役所前・浅草寺二天門前・お台場海浜公園)「浜離宮」水上バス発着場下船、東京都観光汽船(浅草)「浜離宮」水上バス発着場下船 ※水上バス発着場をご利用の場合は入園料が別途かかります。
■開園時間/午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで) 
 ※イベント開催期間およびゴールデンウィークなどで開園時間延長が行われる場合もあります。
■休園日/年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
■入園料/一般300円/65歳以上150円(小学生以下および都内在住もしくは在学の中学生は無料)/20名様以上の団体一般240円、65歳以上120円/年間パスポート一般1,200円、65歳以上600円
 ※身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳または療育手帳持参の方と付添の方は無料
 ※無料公開日:みどりの日(5月4日)、都民の日(10月1日)

藤野 政史さん藤野政史(ふじのまさふみ)
グローバルライフ株式会社 代表取締役
シニアライフ・コンシェルジュ
シニア世代の皆さまが楽しく、笑顔で、遊び、学ぶ、集う会
「グローバルライフクラブ」を運営。
 

 

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