投薬と施設入所だけでは解決しない 認知症は病気か?

健康と美容

生活環境に左右される症状

 認知症と診断されたご家族を介護している方は「病気だから仕方がない」「何とか上手に付き合っていこう」と考えながらも、不安と混乱のなかで対応しておられるようです。私のお客様にも認知症と診断された方が多くおられ、神経内科か内科で診断を受け、認知症のお薬を処方されてはいますが、認知症にはいまのところ治療薬はありませんから、処方されるのは進行を遅らせるお薬です。治るわけではないけれど「病気だから薬を処方する」 という図式で何種類ものお薬を飲んでいる方もおられ、心配になったりもします。
2012年に認知症と診断された方は460万人。5年後の2025年には700万人になると推計されています。高齢者の20%、約5人に1人が認知症という計算ですが、60代後半の3%弱、80代後半で40%前後の方が認知症というのが実態です。
加齢とともに発症の割合が大きくなっていることから、医師のなかには「認知症は加齢に伴う心身の障害で、病気ではない」と考える方もおられます。確かに投薬では大きな効果を得られないように感じますし、慣れない施設に入所した場合、一気に症状が進む方も多く見てきました。一方で、慣れ親しんだ土地や人に囲まれて尊厳が守られるグループホームのような生活環境(施設)であれば問題なく生活できている方も多く、生活環境によって症状の出方が大きく左右されるようです。
今後ますます増えていくことが予想される認知症の方々。投薬と施設入所という対応だけでは、医療費も介護給付金も莫大な資金が必要になります。超高齢化が進むなか、物事の本質を捉え、認知症の方々とどのように共生していくべきか、私たち一人ひとりが考える必要があるでしょう。

斎藤 豊男さん斎藤 豊男(さいとうとよお)
株式会社けんこうぷらん 代表取締役
福祉用具専門相談員 福祉住環境コーディネーター

 

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