インタビュー

輝く人111 六角精児さん

六角精児さん

最近ようやく俳優の仕事を楽しいと思えるようになった
個性的なキャラクターが光り、名脇役として多くのドラマや映画から引っ張りだこの俳優・六角精児さん。
仕事への思いや健康法、そして映画『くらやみ祭の小川さん』について伺いました。

演劇にはまったく興味がなかった

俳優を目指したきっかけを教えてください。

 振り返ってみると、高校で演劇部を選んだことがすべての始まりですね。必ずどこかの部活に所属するという学校のルールに従って、とりあえず入部手続きをしましたが、当時、演劇にはまったく興味がなかったので、ほとぼりが冷めたらすぐ退部するつもりでした。ところが、キャスティングされた作品が、全国大会まで行って……。この時の1つ上の先輩が作った劇団の旗揚げに誘われて、大学に入ってからもズルズルと演劇活動を続けました。
 こうして、辞める機会をことごとく逸した結果、気付いたときには、後戻りできない年齢になっていたんですよ。30歳を目前に、自分が歩むべき人生を考えてみましたが、大学中退の僕が知っているのは、唯一演劇の世界だけ。結局、僕にできることはこれしかないんだと、改めて腹をくくりました。そこからは、与えられた状況を淡々とクリアしていく日々が続き、最近になって、ようやく俳優の仕事を面白いと思えるようになりました。

現在のご活躍につながる転機となった作品は?

 作品というより、僕の負の財産を精算し始めたころから、いろいろなことが変わりだした気がします。若いころの僕は、ギャンブルにハマって、借金まみれの生活をしていました。借りたお金を、ほぼそのまま横流ししてギャンブルにつぎ込む、最低な生活ですよ。年を重ねて、ようやくこのままじゃダメだと気が付いて、そこからですね。甘えが出たら人生逆戻り、自分がしたことは自分ですべて責任をとる、という強い気持ちで借金返済に勤しみました。仕事という形でたくさんの方々が支えてくれたので、なんとか自分の力で体たらくの人生を抜け出すことができたんです。それが40歳になったころ。まさに俳優人生の転機とリンクしています。

健康の秘訣は妻が作るヘルシー朝食

夢中になっていることは?

 以前から活動している「六角精児バンド」で、5年ぶりとなるセカンドアルバムを出すことになり、その制作に夢中です。7月に録音が完了したので、いまは僕の要望を踏まえて、プロデューサーが指示を出しミキシングを進めてもらっているところ。後はジャケット撮影と、トラックダウンを残すのみで、11月中になんとか発売できそうです。こうやって、音楽に携わっている時が一番幸せですね。今後、年をとって、だんだんと俳優の仕事が減っていったときに余暇を埋めてくれるのも、たぶん音楽じゃないかと思っています。これまで作りためてきた曲は僕たちの財産。それを携えて小さなライブハウスを転々と回れたらどんなに楽しいだろうか、と。それを実現し、充実した老後をおくるためにも、このバンド活動はいつまでも大切にしていきたいですね。

健康法を教えてください。

 僕の体は、若いころの暴飲暴食で不健康そのもの。健康診断を受けるといつも中性脂肪やヘモグロビンA1c、尿酸値が高いと指摘されてきました。ひどいときは、中性脂肪が1000㍉、ヘモグロビンA1cが11%で糖尿病と診断されてしまいました。ところが、最近は妻が作ってくれる朝食のおかげで、どんどん健康体になっています。キノコ類や緑黄色野菜が何種類もたっぷり入ったヘルシーな朝食。正直なところ、最初は味気ないと思っていましたが、いまでは味覚が変わって、キノコや野菜そのものの旨味をおいしいと感じるようになりましたからね。そして、薬は飲んでいますが、ヘモグロビンA1cはなんと正常値の5%台まで下がっています。以前は、よく心臓のあたりがドキドキしていましたが、いまではそれもありません。すごいでしょ。運動も必要ですが、やっぱり食べるものって大事なんだと、いまさらながら痛感しています。でもヘルシーな朝食をおいしいといって食べている自分の背後にもう一人の自分がいて、「昔の自分のほうが人間らしくてよかったよ。そっちに戻ってみるのはどうだい?」とささやきかけてきます。実はそんな悪魔な部分を持つ自分と日々戦っているんです。

映画『くらやみ祭の小川さん』の見どころは?

 くらやみ祭は、毎年5月に府中で行われている伝統のお祭りです。撮影には、くらやみ祭の実行委員会の人たちに実際に加わってもらっているので、会議が紛糾(ふんきゅう)する様子などはとても身近でリアルに感じられるのではないでしょうか。僕は、この撮影のあとに初めて本物のくらやみ祭を拝見しました。神様を外に出すために、人間が果たすべき役割を盛大に見せる、本当にすばらしい神事です。この映画を通して、その魅力が伝わればいいと思います。くらやみ祭に限らず、皆さんの地元にも昔から伝わるさまざまな伝統行事があると思います。それらに目を向けるきっかけにしてほしいですね。

六角精児 (ろっかくせいじ)
1962年6月24日生まれ。兵庫県出身。1982年劇団「善人会議」(現・扉座)の旗揚げに参加し多くの舞台に出演する一方、ドラマ『電車男』(2005)や『相棒』シリーズ(2000~)でブレイクし、『鑑識・米沢守の事件簿』(2009)で映画初主演を果たす。その後も、個性あふれるキャラクターを生かして、数々の舞台、ドラマや映画で活躍中。鉄道好きで知られ『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』(NHK・BSプレミアム)も人気。

 

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