インタビュー

輝く人110 大地真央さん

大地真央さん

一つひとつの作品、一人ひとりのヒロインが私の歴史
元宝塚トップスターとして一世を風靡(ふうび) 、いまもなお、舞台で格別な輝きを放つ大女優・大地真央さん。
46年の舞台生活を振り返るとともに、変わらぬ美しさと健康の秘訣についても伺いました。

宝塚時代は、異端児革命児といわれていた

女優を目指したきっかけは?

 中学生のとき、義理の兄がやっていた素人劇団の舞台を観に行きました。2階席からの観覧だったのですが、そこでホリゾントライト(舞台後ろを照らす光)が醸(かも)し出す舞台の世界観にぐっと引き込まれたんです。「すてきだな、私もあの場所に立ちたいな」と。それで、女優になりたいと両親に相談したのですが、厳格だった父は芸能界入りに大反対。唯一許されたのが規律やしつけに厳しいであろうと噂の宝塚音楽学校への進学でした。宝塚へのあこがれというよりは、ほかに選択肢がない状況で決めた道。宝塚の舞台を観たことがないまま学校の門をくぐった生徒は、もしかしたら私くらいだったかもしれませんね。

音楽学校時代の思い出は?

  学校、寮ともにルールの厳しさは噂どおりでした。とくに上下関係がきっちりしていたので、下級生のときは先輩の行動がすごく気になりましたね。たとえば、寮の洗濯機は何があっても先輩を優先するという暗黙の了解があったので、バッティングしないよう、手洗いしていたのを覚えています。また、トイレは奥から使い、シャワーは手前から使う、という決まりもありました。いろいろと大変でしたが、多感な時期を宝塚で過ごしたことは、私にとって大きな財産です。厳しさにもまれながら礼儀を学び、人間関係を学び、生きる力、自分で自分を管理する力を身につけました。そして、歌・踊り・演技と、ありとあらゆる芸事を幅広く経験できたことも、その後の私の芸能生活を支える大きな基盤となっています。

宝塚時代、トップとしての活躍はまさに伝説的でした。

 宝塚に入って私がやりたいと思ったのは、古き良き伝統の中に「新しい風」を吹き込むことでした。そのために、自分なりに工夫を凝らしていたのですが、その行動が突飛に思われたようで、新人時代は「異端児」とよばれ、トップになると「革命児」といわれました。私がトップになったころは、マイケル・ジャクソンが世間を賑わせていた時代。宝塚においても、中心的な役のあり方を変えたくて、体力的にはかなりハードなのですが、それまでにはあまりなかった、踊りながら歌い続けるショーが好きでした。そうした新しい風を吹き込むことによって、後輩たちもそこを目指すようになったと聞いて、うれしかったですし、出ずっぱりのショーもつらいと感じたことはありませんでした。いま思うと、丈夫な体で生んでくれた両親に心から感謝ですね。

演じた41人のヒロインはみな大切な存在

女優に転身されてから印象に残っている作品はありますか?

 まずは、20年間携わった『マイ・フェア・レディ』でしょうね。女優としての私は、まさにイライザとともに成長したといっても過言ではありません。こんなに長い期間イライザを演じ続けた人はほかにいないといわれると、やはり感慨深いものがあります。でも、それだけではなく、これまで41人のヒロインを演じてきましたが、クレオパトラもガブリエル・シャネルも、スカーレットもマリアもクイーン・エリザベスも……、それぞれに思い入れがあって優劣はつけられません。一つひとつの作品、一人ひとりのヒロインが私の歴史であり、大切な存在です。

明治座11月の舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』の「お園」役にはどんな思いがありますか?

 この作品は2年ぶりの再演です。初演という土台があって挑むものなので、お園の人柄をもっと掘り下げたいと思っています。明るくて、お人好しで、おしゃべりで飲んべえなお園ですが、うちに秘められたゆかしさや愛情深さ、人間味あふれる世界観をより深く表現できたらいいですね。今回は歌や踊りもある音楽劇で、笑いもあり、少し切なさもあります。素晴らしいスタッフと、個性溢れるキャストの皆さんと創りあげた作品です。一部キャストの方も変わり、また新たな『ふるあめりかに袖はぬらさじ』を、ぜひご覧いただいて明日の活力源にしていただけたら嬉しいです。

最後に、美と健康の秘訣を教えてください。

 習慣として欠かさないのは、毎朝の手作りグリーンスムージーと、1日2リットルの水を飲むことです。グリーンスムージーは、小松菜・人参・トマト・バナナ・キウイと旬の野菜やくだものに、チアシード、べリー酢、豆乳を加えたもの。これだけでミネラル、カリウム、酵素などがたっぷりとれるのでおすすめです。また、ストレッチも毎日の日課。たとえば、お風呂に入ったとき、私は全身を手で洗うのですが、そうすると自然と関節や筋肉がのびてストレッチやマッサージの効果があります。湯船に浸かったときは足首を回したり、足を左右に倒して腰をひねったりします。それと寝る前にストレッチを。あとは週1回トレーナーのもとで行うトレーニングで体力作りをしています。

大地真央 (だいちまお)
1956年2月5日生まれ。兵庫県出身。宝塚歌劇団の月組トップスターとして一時代を築き、85年に退団。その後は、舞台を中心に活動し、『風と共に去りぬ』『ローマの休日』『ガブリエル・シャネル』『夫婦漫才』『クイーン・エリザベス』などで多彩なヒロインを演じ続けている。
『マイ・フェア・レディ』では、1990年から20年間イライザ役を務めた。菊田一夫演劇大賞受賞、文化庁芸術祭大賞受賞など受賞歴多数。また、『とと姉ちゃん』『越路吹雪物語』などドラマにも数多く出演。映画、CMなど女優として幅広く活躍中。

 

関連記事

  1. 輝く人 ヨネスケさん 輝く人106 ヨネスケさん
  2. 坂東玉三郎さん 輝く人101 坂東玉三郎さん
  3. 三宅裕司さん 喜劇俳優 三宅裕司さん
  4. 輝く人 中井貴一さん 輝く人108 中井貴一さん
  5. 元関脇・琴錦の朝日山親方 元関脇・琴錦の朝日山親方
  6. 女優 浅田美代子さん
  7. 輝く人105 倍賞千恵子さん
  8. 山田たかおさん タレント 山田たかおさん
ゴールデンライフ送付希望の方
読者プレゼント応募方法
脳トレ・脳レク応募申込
都内の名処
脳トレダンス動画
ゴールデンライフ広告掲載

ピックアップ記事

  1. 命涯りあり知は涯りなし
  2. 楽しく百歳、元気のコツ
PAGE TOP