コラム

楽しく百歳、元気のコツ⑤

楽しく百歳、元気のコツ

同じ生きるなら明るく生きた方がいい。今日を一番いい日に!何度も読み返したくなる百歳のメモリアルエッセイ。

好きな食器で自分をもてなす

「どうしたら吉沢さんのように、百歳まで元気でいられるのですか?」と、よく聞かれます。特別なことは何もしていませんが、しいて挙げれば、食べたい物をバランスよく食べ、くよくよ悩まず、小さな幸せを見つけて日々の暮らしを楽しんできたことでしょうか。
 私は、器を集めることが若いときから好きでした。中には高価なものもあり、割れないようにと、ずっと大切にしまっていました。
 でも、あるときふと「私は、あと何回、大好きな食器を使えるのだろうか」と考えました。使って割れてしまうことよりも、使わないまま置いておくほうが、よほどもったいない――。そう考えて、しまい込んでいた食器を取り出し、使うようにしました。
 気に入った器を使うと、いつもの食事が、いっそうおいしく感じられます。ありあわせのものですませる時も、好きな食器に盛り付けるだけで、ごちそうに見えるものです。
 そんなふうに自分をもてなし、機嫌よく暮らせるように心がけています。

断捨離も考えもの

「片づけ」は生活術の大きなテーマの一つです。たくさんの物があふれて散らかっているより、必要な物がきちんと片づいている方が暮らしやすいもの。私も、あれこれ物をため込むのは好きではありません。けれど、あまり減らし過ぎるのは考えものです。
 三十代の頃、仕事と両立するために家事をシンプルにしようと考えたことがあります。夫と一緒に不要な物を処分し、物を持たない生活に挑戦しました。
 たとえば食器。汁もののカップは一つ、白い皿を各自大小二枚……と最小限に減らし、あとは箱に詰めて物置にしまいました。どの皿を使おうかと迷うことがなくなり、家事の煩雑さが減りました。
 でも、どうにも味気ないのです。こういう極端なことをしてはダメだと学び、少しずつ元に戻しました。
 戦争時代を生き延びた世代の私は、生活必需品さえ手に入らない過酷な経験をしてきました。そのため、使える物を簡単に捨てることができません。物を処分するときは、心を残しつつ、未練がましく捨てています。それがせめてもの、物への感謝と惜別の気持ちだと思うのです。
 物は単なる道具ではありません。好きな物に囲まれて過ごす暮らしは、心を豊かにしてくれます。

「しあわせ気分」を大切に

「ありがとう」という言葉が、私は大好きです。言っても言われても、心が温かくなります。
 私が四十代の時から二十年あまり同居した姑は、よく「ありがとう」を言う人でした。「ごはんができましたよ」「ありがとう」――という具合です。そのたびに私は、とてもうれしい気持ちになりました。親しい間でも、感謝をきちんと言葉にすることは大事だと教えられました。
 年をとると、周りの人に助けられることが多くなります。そんなとき、「してもらって当たり前」と思っていると、感謝の言葉が出てきません。人の優しさに触れたとき「ありがとう」と言えるかどうかで、人間関係の豊かさは大きく変わるでしょう。
 私の人生は「ありがとう」にあふれた日々だった。そんなふうに振り返ることができたなら、とても幸せなことです。 小さなことにも喜びを感じ、周りの人に感謝しながら、日々「しあわせ気分」を大切にする。そんなふうに、楽しく暮らしていきたいと願っています。

 

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